2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15500468
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Research Institution | Nagoya College |
Principal Investigator |
寺田 恭子 名古屋短期大学, 教授 (20236996)
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Keywords | 養護学校 / 身体活動 / 体育 / テキストマイニング法 / ダンス / スポーツ / アダプティッド・スポーツ |
Research Abstract |
障害児の身体活動プログラムに関する研究 本研究は、障害者が生涯を通して自分に適したスポーツを楽しめるように、その基盤となる児童・生徒(青年期)の身体活動のあり方に着目した。具体的には、学校生活の場において児童・生徒の発達に即した身体活動が体育という授業を通してどのように展開されているのか内容を把握し、彼らにとって生涯スポーツに繋がるようなスポーツ環境のあり方を考察した。また、重度重複障害がある児童・生徒でも積極的に取り組めるようなスポーツプログラムについて提案した。 平成15年度では、「障害児のスポーツ活動に関する調査」として、全国の小・中及び高等養護学校に体育授業内容に関するアンケート調査を実施した。授業内容では、既存のスポーツ内容を児童・生徒の障害程度や種類にアダプティッドさせながら、工夫を凝らして教具・教材を作成し、実施している学校が多数であった。しかしながら一方で児童・生徒の障害の重度重複化傾向により、集団スポーツができない、できるスポーツ種日が限られるなどの回答も多数であった。加えて、教員数の減少や体育授業数の減少により体育授業そのものが成り立たない現状も指摘された。自由記述回答では、テキストマイニング法を取り入れ、主観的な回答を分析することを試みた。その結果、小、中、及び高等学校では、回答者が使用する、ある特定の重要語句の頻度の差が確認された。小学校では個々に適した内容についての記述、中学ではスポーツの楽しさ、高校では生涯スポーツや工夫などの語句の頻度が高く、それぞれの発達に合わせて、教員が問題視していることに差があるのではないかと考えられた。児童・生徒にとって生涯スポーツに繋がるようなスポーツ環境は、養護学校で行われているスポーツが地域社会でも楽しまれているスポーツであること。また、地域のスポーツインストラクター、ボランティア等が、養護学校の児童・生徒と触れ合う機会を増やし、卒後に自然に地域のスポーツ活動に参加できる状態を作ることが必要だと思われる。そこで、調査と平行して、卒後も楽しめる、生涯に繋がる可能性のあるスポーツな種目としてダンス活動の実践を養護学校で行った。 養護学校でのダンス活動は3年間実施した。ダンス活動が重度重複障害児への身体活動としてのアプローチに適していること、またダンス専門家が養護学校の先生方にダンスの研修を行う、授業プログラムを作成し現場で指導するなど、専門家と教員がチームを組むことによってプログラム内容は充実した。また、地域のダンス専門家が養護学校と関わることで、卒後にダンスを楽しみたい人たちのスポーツ継続の道筋ができることを確信した。
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