2003 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの運動習慣形成およびその維持に関連する要因に関する行動疫学的研究
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15500472
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
戸部 秀之 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (70273745)
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Keywords | 運動習慣 / 行動疫学 / 中学生 / 高校生 / 態度 / 項目反応理論 / 変化のステージモデル / 質問票 |
Research Abstract |
今年度は、運動習慣の形成・維持に関連する要因を総合的に捉える調査票の検討を行い、項目の精選および信頼性等、精度の検討を行うことを目的の一つとして検討を行った。特に、心理的変数および社会的変数については、最近注目されているテスト理論である項目反応理論によって中学生と高校生の運動実践に関する態度要因を明確にし、評価尺度を構成するために、中学生と高校生のそれぞれについて約700名規模のアンケート調査を行った。そこから、例えば心理的要因の態度として、「運動を行うこと自体に楽しさや喜びを感じる」直接的な態度や、「運動を行うことに伴って得られる利得」を期待して運動を行うといった間接的な態度、その他、「運動を行おうとする意思に対しバリアとなる心理的要因」など、複数の視点から運動に関する態度を評価できる尺度を構成した。今後、さらに多様な変数について分析を進めていく。 本年度はまた、子どもの運動習慣を質問票を用いて評価する方法を検討してきた。まず、これまで国内外で用いられてきた質問票を収集し、それらの特徴を検討した。主に成人に使われてきたそれらの質問票の中から、成長期の子どもにも適用できそうな項目や表現を参考に、運動時間を1週間の総運動時間で評価する質問様式を設定した。同時に運動習慣の評価として「変化のステージモデル」を成長期に適用する際の質問様式を検討し、中学生と高校生を対象にアンケート調査を行って回答結果の特徴を検討した。傾向として、部活動などの開始から終了までのうち実際には身体運動を伴わない時間もカウントされる傾向があることが判り、改善が必要である。また、「変化のステージモデル」の応用は有効であるとの示唆が得られている。今後の予定として、本年度に実施できなかった運動量の客観的測定値(加速度計)との比較を行い、精度の確認を行う。
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