2004 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの運動習慣形成およびその維持に関連する要因に関する行動疫学的研究
Project/Area Number |
15500472
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
戸部 秀之 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (70273745)
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Keywords | 運動中止 / 運動再開 / 中学生 / 高校生 / 心理的要因 / ロジスティック回帰分析 / オッズ比 / 運動習慣 |
Research Abstract |
運動習慣の形成を促進するには、一旦形成された運動習慣からの離脱をいかに防止するか、また、離脱が生じた場合には運動の再開をいかに促すかが重要である。本研究では中学生と高校生を対象に、「運動に関する楽しさ(以下、楽しさ)」、「運動による利得に関する信念(以下、利得)」、「運動に関する心理的バリア(以下、心理的バリア)」の3つの要因および学年・性別に焦点をあて、運動の中止および運動の再開意図との関連を検討した。中学生および高校生にアンケート調査を実施し、1年以上継続して運動を実施している「運動継続者」、最近1年以内に運動を中止した「運動中止者」を抽出した。運動の中止を従属変数に、学年、性別および「楽しさ」、「利得」、「心理的バリア」の各尺度値を独立変数としてロジスティック回帰分析を行ったところ、性別、学年および心理的バリア尺度値のロジスティック係数が有意であった。運動を中止することのオッズ比は、男子に対する女子のオッズ比が1.53、中1年生に対する中3年生のオッズ比は28.24、中1年生に対する高1年生のオッズ比は2.12であった。心理的バリア尺度値については尺度値1の上昇(1.07SDに相当)を1単位としたオッズ比は2.66であった。また、かつて運動を行っていた経験がある者のうち「6ヶ月以内に運動を始めるつもりである」と回答した者を「再開意図あり」とし、「今のところは運動を始めるつもりはない」と回答したものを「再開意図なし」として、運動再開意図を従属変数にロジスティック回帰分析を行った。ロジスティック回帰係数が有意であったのは学年、中止後の期間、楽しさ尺度値であった。中1年生に対する中3年生のオッズ比は5.92、中止後の期間のオッズ比は0.50であった。楽しさ尺度値1の上昇(1.10SDに相当)を1単位としたオッズ比は2.52であった。
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