2003 Fiscal Year Annual Research Report
職場ストレス解消のためのペット導入に関する実験的検証
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15500493
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
小川 家資 帝京科学大学, 理工学部, 助教授 (50233408)
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Keywords | 職場ストレス / ペットの介在 / 心拍R-R間隔測定 / 脳波測定 / 気分プロフィール調査 / 知的作業 / データ入力作業 / 創造作業 |
Research Abstract |
本年度は以下のように課題作業と測定方法の調査と決定、「実験I」の実験計画立案、「実験I」の実施を行った。 (1)課題作業と生理指標・心理指標測定方法の調査と決定 職場の作業と類似し、短期間で作業者にストレスを加えられ、その評価が可能な課題作業を調査した。その結果、連続加算法による知的作業、パソコンによるデータ入力作業、パズル組み合せによる創造作業の3つを課題作業として選んだ。生理指標は各課題への集中度をみるために心拍R-R間隔測定と脳活動の変化を計測するために脳波測定に決定し、実験室内で測定上ノイズが発生するか確認した。心理指標は気分プロフィール検査を用いて作業者(被験者)のリラックスの度合いを休憩前後に測定する事とした。また、実験室内の人と動物の行動解析のためにビデオ録画を決定した。 (2)「実験I」の実験計画立案 「実験I」は、職場で自分のペット(犬)と休憩をとるということを想定した実験室内での基礎実験ではあるが、より職場に近い環境を考え被験者2〜3名が同時に同じ課題を3回繰り返しその間に休憩を2回とる実験を計画した。ストレス解消法としては休憩中でのペットの介在、ペット型ロボットの介在、雑誌等の読書の3水準を計画した。したがって、課題作業3水準、休憩の種類3水準で計9回の実験の組み合わせとなり、被験者1人当たり5日間で実験が終了する計画を立てた。 (3)「実験I」の実施 躾られたペットを持っている動物好きの被験者を募集し、結果として学生8名による「実験I」を実施した。現在、データの整理と解析中ではあるが、ペットが休憩中に介在する場合に被験者に「喜び」、「微笑み」というリラックスの兆しが見られ、他の休憩条件では見られない現象があった。また、休憩時に介在するペットによっても休憩中にとる被験者やペットの行動に違いが見られた。職場ストレスにペットが一役かっているようではあるが、今後心拍・脳波結果、気分調査結果、人と動物行動比較結果、課題作業の達成度から「実験I」の結果を総合的に分析する。
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