2004 Fiscal Year Annual Research Report
職場ストレス解消のためのペット導入に関する実験的検証
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15500493
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
小川 家資 帝京科学大学, 理工学部, 助教授 (50233408)
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Keywords | 職場ストレス / ペットの介在 / 心拍R-R間隔 / 脳波測定 / 気分プロフィール検査 / データ入力作業 / 加算課題作業 / 創造作業 |
Research Abstract |
本年度は以下のように平成15年度に実施した予備実験結果のまとめ、被験者数を増員しての追加実験、社会人に対する実験を行った。 (1)平成15年度に実施した予備実験(実験I)結果 オフィスを見立てた実験室での学生被験者8名による予備実験の結果を解析した。その結果を気分プロフィール検査からみると各課題作業(単純データ入力作業、連続加算課題作業、パズル組み合わせによる創造作業)のうち一番顕著な結果は創造作業時で休憩時にペットと遊ぶことが作業者のイライラする気分を減少させ、生き生き感をもたせる効果があることがわかった。また、思考力の観点からもペットと遊ぶことが重要といえ、ペットの介在が職場ストレス解消に貢献すると考えられる。 (2)追加実験の実施と結果 予備実験結果の学会報告で得られた専門家の意見をもとに被験者数を4名追加し、さらに脳波測定による被験者の負荷を最小にするために装着電極数を減らし追加実験を実施した。合計12名の被験者による結果として、気分プロフィール検査については予備実験と同様の結果を得たが脳波測定の結果は、単純データ入力作業と連続加算課題作業ではペットとの休憩が右前額部のα波帯域のピーク周波数が高く、これは右脳の前頭前野が活性化されたことを意味し、課題作業による心的ストレスがペットの介在で低減された可能性が考えられる。心拍R-R間隔と気分プロフィール検査の関係は、休憩時にペットと遊ぶことが連続加算課題作業中の集中度を高めることがわかった。作業効率とペットの介在については被験者の各作業に対する熟練度によってペット介在の効果があるグループとないグループが存在することが明確になった。 (3)社会人参加による実験(実験II)の実施 実際の職場で管理職2名と事務職員9名の計11名に対して「ペットの介在」効果を気分プロフィール検査によって実施した。出社時、昼休憩前、後、帰宅前の4回気分プロフィール検査を実施し、昼の休憩時に「ペットとふれあう」ことが職場の方々の気分にどのような変化をもたらすかを検証する。
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