2004 Fiscal Year Annual Research Report
水中ハンドエルゴメーター運動を用いた運動処方と評価方法に関する研究
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15500496
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
小野寺 昇 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (50160924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮地 元彦 独立行政法人国立栄養・健康研究所, 健康増進研究部, 室長 (60229870)
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Keywords | ハンドエルゴメーター / 水中運動 / 腹部大静脈横断面積 / 心拍数 / 静脈還流量 |
Research Abstract |
水中では生体に水の物性が作用し、陸上とは異なる生理的応答を示すことが広く知られている。静脈還流の促進は水圧作用によるものと理解されている。静脈還流量が増加すれば、静脈に血液が蓄積し、静脈の形態変化に影響を及ぼすものと予測される。腹部大静脈横断面積は、水中立位が陸上立位と比較し有意に大きい値を示すことを明らかにしている。そこで、水中運動時の運動処方の指標として腹部大静脈の形態変化定量が妥当な評価方法であるかを検証した。被験者は、健康成人男性6名(年齢:23±1歳,身長:173±5cm,体重:65±4kg,体脂肪率19±2%)とした。ヘルシンキ宣言に沿ったインフォームドコンセントを行い参加の同意を得て行った。水温は30.5±0.6℃、室温は25.4±0.4℃、湿度は64.7±1.1%であった。ハンドエルゴメーターを用いて、運動負荷(20%,40%,60%V^^・O_2max)を行った。陸上条件と水中条件を設けた。水位は剣状突起とした。心拍数、酸素摂取量および腹部大静脈横断面積を測定した。運動時の心拍数は、40%、60%V^^・O_2maxの時、水中条件が有意に低値を示した。運動後の心拍数は、水中条件がいずれの負荷においても有意に低値を示した。運動時の酸素摂取量は、20%、40%V^^・O_2maxの時、水中条件が有意に高値を示した。運動前後における腹部大静脈横断面積は、水中条件が有意に高値を示し、60%、40%、20%V^^・O_2maxの順にその差が大きかった。これらのことは、運動後の回復期における静脈還流量の変化に運動強度が関わりを持つことを示唆している。これらのことから、運動処方の指標として腹部大静脈の形態変化が妥当な評価方法であることが明らかとなった。
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