2004 Fiscal Year Annual Research Report
中高年者の「自尊感情とディストレス」に関する日本と中国の比較
Project/Area Number |
15500508
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
松岡 英子 信州大学, 教育学部, 教授 (20126709)
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Keywords | ディストレス / 自尊感情 / 中高年 / 高齢者 / 日中比較 / 介護ストレス |
Research Abstract |
本研究は日本と中国の中高年者の「自尊感情とディストレス」の様態を解明するものであり、自尊感情とディストレスに影響を与える諸要因をストレス研究の分析枠組みや測定尺度を用いて明らかにし、日本と中国の比較分析を行うことが主たる目的である。昨年度検討した自尊感情尺度とディストレスの測定尺度を基にして、本研究で用いるスケールを作成した。本年度はまず、日本の中高年者を対象とした実態調査を実施し、ディストレスと自尊感情の実態と影響要因を明らかにした。さらに、中国の高齢者を対象とした実態調査を実施した。中国調査はデータ入力作業中である。日本では2種類の調査を行った。40歳以上65歳未満の男女3000名を対象とした中年世代調査と、65歳以上の男女3000名を対象とした高齢者調査である。対象者のディストレスを測定する尺度はZungのSDSを改良した9項目を用いた。スケールの信頼性係数は、中年世代調査ではα=0.82、高齢者調査ではα=0.81となり、ディストレスを測定する尺度として、有効であることが明らかになった。中年世代のディストレスに影響する要因(基本属性8変数、サポート4変数、社会参加4変数、老後不安6変数など)を明らかにするために、一元配置分散分析で有意差が見られた変数について、独立変数の数を順次増やして多変量解析を行った結果、経済状況、健康状態、生きがいづくりの影響が大きかった。高齢世代のディストレスに影響を与える要因についても同様の分析を行った。その結果、健康状態、サポート得点、趣味・娯楽活動への関心、老後の経済不安の影響が明らかになった。自尊感情の測定にはプリテストおよび既存のデータ分析から、被調査者の負担を重視して、6項目を用いることにした。スケールの信頼性係数は中年世代調査ではα=0.81、高齢者調査ではα=0.83となり、自尊感情を測定する尺度として、有効であることが明らかになった。ディストレスと自尊感情には非常に高い相関が認められた。
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Research Products
(4 results)