2005 Fiscal Year Annual Research Report
中高年者の「自尊感情とディストレス」に関する日本と中国の比較
Project/Area Number |
15500508
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Research Institution | Shinsyu University |
Principal Investigator |
松岡 英子 信州大学, 教育学部, 教授 (20126709)
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Keywords | ディストレス / 自尊感情 / 中高年 / 高齢者 / 日中比較 / 介護ストレス |
Research Abstract |
本研究は日本と中国の中高年者の「自尊感情とディストレス」の様態を解明するものであり、自尊感情とディストレスに影響を与える諸要因をストレス研究の分析枠組みや測定尺度を用いて明らかにし、日本と中国の比較分析を行うことが主たる目的である。本年度は中国の高齢者調査(配票調査、インタビュー調査)の分析を行った。中国の高齢者を対象とした配票調査は吉林省長春市の65歳以上の高齢者380名を対象とした。回収数325、有効数311(81.8%)であった。男女比は半々であり、平均年齢は70.1歳である。9項目からなるディストレスを測定する尺度の信頼性係数はα=0.72となり、尺度の有効性が確認された。この尺度は日本における調査でも用いており、両国の比較分析の基礎的な変数として用いることができる。中国の高齢者のディストレスに影響を与えている要因を明らかにするために、基本属性6変数、ソーシャル・ネットワーク6変数、意識要因2変数、生活満足要因5変数、自尊感情を含む計20変数を独立変数として、ディストレスへの影響を分析した。まず、要因内の分析では、基本属性については一人暮らし高齢者にディスとレスが高く、高学歴・高収入ではディストレスが低いという傾向がみられた。また健康な高齢者はディスとレスが低い傾向にあった。ソーシャル・ネットワークについては、手段的サポートの広がりが大きいほど、親しくしてくれる人が多いほどディストレスが低いという傾向がみられた。意識要因2変数には有意差がみられなかった。生活満足度要因については、家族関係満足度、家計満足度、食・住満足度が高いほどディストレスが低い傾向が示された。生活不安、配偶者満足度については多元配置の分析で有意な効果が失われた。自尊感情はディストレスに有意な影響を与えていた。以上の分析で有意な影響が示された変数を独立変数とする分散・共分散分析の結果、家族構成、健康、家族関係満足度、家計満足度、食・住満足度が高齢者のディストレスに有意な影響を与えていることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)