2003 Fiscal Year Annual Research Report
トウガラシ辛味関連化合物の調理における変化測定と安定化
Project/Area Number |
15500544
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
渡辺 達夫 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教授 (10210915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古旗 賢二 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助手 (70275105)
貝沼 やす子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (90071000)
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Keywords | カプサイシン / 抽出 / 定量 / カレー / カプシエイト |
Research Abstract |
まず、トウガラシ辛味化合物カプサイシンの抽出・精製・分析方法について検討した。カプサイシンを含有する料理の中で、多成分を含み、もっとも定量が困難と予想されるカレーを試料とした。単独のスパイスと、調製した混合スパイス、カレー・ルーで、抽出溶媒、処理方法、分析条件を検討した。抽出には、溶媒としてアセトンを用い、室温で24時間以上浸漬することで、定量的にカプサイシンを回収できた。含水試料の前処理でよく用いられる凍結乾燥も検討したが、凍結乾燥処理は回収率を低下させた。カプサイシンの検出法としては、同族体の分離定量も可能なHPLCを用いた。電気化学検出器では、種々条件を検討したが、カプサイシンの特異的検出は達成できなかった。次に蛍光検出器を用いたところ、カプサイシンのピーク付近に妨害ピークもほとんど見られず、良好な定量が可能であった。HPLCでの溶離条件としては、単一組成よりもメタノールの濃度勾配溶出を行った方がよりカプサイシンの分離・定量生が高まることも見出した。本法により、混合スパイスのみならず、カレールーでも定量が可能であった。 続いて、甘味種トウガラシ中のカプサイシン様無辛味化合物カプシエイトでの抽出・定量法の基礎として、カプシエイトの安定性を検討するために、カプシエイト類のモデル化合物として、側鎖にノナン酸を有するバニリルノナノエイトVNを酵素的に大量に合成した。大量合成にあたって、試薬濃度や反応時間の検討を行い、従来の数分の1の溶媒にて合成が可能であることを明らかにした。改良した合成条件を用いて、gオーダーのVNを得た。
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