2004 Fiscal Year Annual Research Report
正しい食習慣の確立のための食行動変容要因に関する研究
Project/Area Number |
15500546
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
早川 史子 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (30074066)
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Keywords | 緑茶 / 茶がゆ / 食習慣 / 嗜好性 / 中国 / 日本 / モンゴル / 韓国 |
Research Abstract |
正しい食習慣の確立には正しい食習慣を身につけさせ、習慣化させ、定着させることが必要である。そこで飲行動の状況から、食習慣の変容要因を探ることを目的として本研究を行った。まず日本における女子の緑茶の飲用状況の年齢階層別、地域別比較を目的に茶産地(静岡県)、欧米との文化交流が古くからおこなわれてきた阪神地区、日本で最初に緑茶が飲まれたとさるれ滋賀県における18-75才の年齢層の女子を対象に調査を行った。その結果、その地域の歴史的は背景によって緑茶の飲用状況は異なり、緑茶の飲用状況は静岡県>滋賀県>阪神地区であり、阪神地区では、特に若年層では緑茶よりも紅茶に対する嗜好性が高く、団欒時の飲み物としても強くイメージされていた。また、飲用頻度と嗜好性、団欒・来客の飲み物との間には正の相関が認められ、習慣性には嗜好性が最大の要因であることが確認できた。また、歴史的に緑茶を飲む習慣を共有してきた中国、モンゴル、韓国、日本における女子学生の緑茶の飲用実態調査から緑茶を飲む習慣がもっとも強いのは日本であり、次いでモンゴルであること、中国と韓国ではそれぞれ緑茶とコーヒーに対する嗜好性が高いにもかかわらず日常的に飲まれている飲み物は水あるいは湯であることがあきらかになった。中国では不老長寿の飲み物として茶が飲用されてきたと考えられるが、実際の飲用状況からは茶を飲むことが確認できなかった。長い歴史を持つ中国の喫茶習慣の変化要因について今後、検討する。一方、近畿地方と佐賀県の茶粥習俗の調査を行い、これらの地域では茶粥は節米目的ではじまったが、今日まで茶粥習俗が継承されてきたのはおいしい、身体によいなど積極的な理由からであることが明らかになり、正しい食習慣の定着には単なる習慣として身につけさせるだけでは定着するものではなく、何らかの付加価値が必要であることが示唆された。さらに調査範囲を拡大し、先に明らかにしたことを裏付ける結果を得た。
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Research Products
(6 results)