2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15500550
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
森口 覚 山口県立大学, 生活科学部・栄養学科, 教授 (80166397)
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Keywords | α-トコフェロール / 末消血Tリンパ球 / 血漿NO濃度 / 健常高齢者 / 幼若化能 / VLDLコレステロール / サプリメント |
Research Abstract |
平成15年度に実施した健常対象者に対して、調査結果報告会を実施し、結果の概要を説明するとともに、各々の結果を個人面接方式により説明し、返却した。その際、今回の調査の目的・意義について説明し、同意が得られた者について、介入を実施した。その結果、同意が得られた対象者は42名(男性8名、女性34名)であった。対象者に毎日、300mgのα-トコフェロール(α-T)を3ヵ月間服用してもらい、服用前後の早朝空腹時に採血し、血漿ならびに末梢血リンパ球を単離した。 血漿α-T濃度は服用3ヵ月目には服用前の約1.7倍と有意な増加を示した。この結果から健常高齢者においてもビタミンEの消化・吸収は支障なく行われていることがわかる。しかし、肝臓からα-Tが血中へ放出される際に取り込まれるリポたん白である血漿VLDLコレステロール濃度についてはα-Tの服用前後において顕著な変化はなく、ほぼ同等のレベルを維持していた。その結果、VLDLコレステロール当りのα-T濃度はα-T服用後に有意な亢進を認めた。また、分離された末梢血Tリンパ球のPHAに対する幼若化能はα-T服用前に比べ、服用後で有意に高いことを認めた。さらに、この機序を高齢者では血中レベルが高まる血漿一酸化窒素(NO)濃度変化からみたところ、α-T服用前後で血漿NO濃度に大きな差違を認めなかった。 以上、これらの結果は高齢者における肺炎等の感染予防や感染後の重篤を防止する上でビタミンE栄養状態を良好に保つことが重要であることを示している。しかし、その機序としてNOの関与は認められず、ビタミンEそれ自身が有する免疫賦活作用と関連する可能性が示唆された。 尚、本調査は事前に、山口県立大学倫理委員会において調査の目的・方法・内容について審査され、承認後、実施されたものである。
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Research Products
(3 results)