2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイタケ中の血栓溶解酵素の生体内における効果について
Project/Area Number |
15500567
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Research Institution | Kacho College |
Principal Investigator |
豊原 容子 華頂短期大学, 生活学科, 助教授 (50241211)
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Keywords | マイタケ / 血栓溶解酵素 / フィブリノーゲンザイモグラフィー / メタロエンドペプチターゼ |
Research Abstract |
最終年度である本年は、マイタケ中に存在する血栓溶解酵素が経口摂取により、生体へ取り込まれ有効な効果をもたらすのかどうかについて検討を行うことを目的として、実験を進めてきた。精製法について、さらに検討した結果、昨年度進めてきた精製法すなわち、硫安分画後、強陰イオン交換カラムクロマトグラフィーを用いpH5.8で分画するよりも、強陽イオン交換担体であるSource担体Sを用いたイオン交換カラムクロマトグラフィーをpH6.0で行ったほうが、より効率よく精製できることが判明した。この方法によりマウス投与に用いる本酵素の精製を進めるとともに、ポリクロナール抗体作成用のサンプルを調整した.ラビットにてポリクロナール抗体を作製し、本抗体について、ウエスタンブロット、免疫染色に用いることができることを確認した。また、イオン交換カラムクロマトグラフィー後の精製物を用い、本酵素のアミノ酸シークエンスを行ったところ,電気泳動にて2本のバンドがみられていたが、いずれも同じシークエンスであることが確認され、糖鎖などの変化によるものであると考えられた。また本酵素はJ.Biol.Chem.,272(48),30032-30039(1997)に報告されているメタロエンドペプチターゼと同一の酵素であることが明らかとなった。生体への効果をみるために、飲料水に本酵素を加え摂取させるという方法を以前から試してきたが、摂取量を正確に把握できないことから、ゾンデによる経口投与法に変え摂取させる実験を行った。6週令マウス♂C57BL/6CrSlc(n=7)に毎日200μg投与したところ4日目から死亡するマウスが見られ始めた。生存していたマウスについて5日目に頚椎脱臼によりサクリファイ後、心臓採血し血漿についてザイモグラフィーを行ったところ明らかな痕跡は認められなかった。さらに投与する量や投与期間などを検討し実験を継続中である。
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