2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15500575
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 賢次郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60012506)
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Keywords | 図学 / 図形科学 / 空間認識力 |
Research Abstract |
心的切断テスト(MCT)は、被切断立体と切断面を問題図として与え、切断面による被切断立体の切り口を5ヶの回答選択肢から選ばせる空間テストの一種である。通常のMCTにおいては、問題図は、被切断立体および切断面を斜め左上方から見た透視図として与えられている。本研究においては、被切断立体と切断面を自由に回転して表示できるMCT(以下、回転MCT)を作成し、このようなMCTと通常のMCTの調査結果を比較検討することにより、MCTの誤答原因、ひいては、MCTが評価している空間認識力を明らかにすることを目的とするものである。 本年度は、コンピュータ画面上で、被切断立体と切断面を鉛直軸周りに360度自由に回転して表示できるソフトを作成した。解説や例題分文はHTMLにより、問題図の回転表示はJava Appletにより、また、選択肢はGIFファイルにより作成した。回転の制御は、問題表示画面の下に回転制御ボタンを設け、マウスでボタンをクリック&ドラッグすることにより、右回り、左まわりに自由に回転できるようにした。回転角度はボタンをドラッグする長さで、また、回転速度はボタンをドラッグする速さで制御可能である。さらに、「戻し」ボタンを設け、回転させた後で元の位置に戻すことができるようにした。 現在、大学生を被験者(〜10名)にした予備実験を行っている。予備実験の結果、回転MCTの操作方法は極めて簡単であり、調査に支障をきたさないことが確認できた。また、MCTは25題の問題からなっているが、静止MCTと比較した場合に大幅に正解率が向上する問題群と、正解率がほとんど上昇しない問題群が存在することが明らかになった。現在、予備実験結果の解析を進めると同時に、回転MCTのソフトを改良するなど本実験の準備を進めている。
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