2004 Fiscal Year Annual Research Report
数学教育における空間思考の育成の視座からの図形・空間カリキュラム開発研究
Project/Area Number |
15500587
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
狭間 節子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (40030382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 是浩 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (00030479)
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Keywords | 図形・空間カリキュラム / 空間思考の発達的指標 / 空間的イメージの操作 / 表現と表現間に変換 / 視覚化 |
Research Abstract |
空間思考の育成の視座からの図形・空間カリキュラム開発研究について、次の研究成果を得た。 1.「児童・生徒の空間思考の発達的指標」を「空間的イメージ」、「操作」、「表現と表現間の変換」、「判断・推論のよりどころ」の4つの柱でそれらの間の関連性を分析し、整理し、発達的指標の全体枠組みを構成した。 2.発達的指標の全体枠組みを基礎とし、次の構成による「図形・空間のカリキュラム骨子」を構築した。 (1)カリキュラム骨子は、学習内容(系統)の軸と空間思考を育成するための算数・数学的活動の軸、および両者を密接に関連づけて構成した。後者の活動の軸は、「観察、実験、操作的活動」、「表現と表現間の変換」、「エンリッチメント」、「判断・推論のよりどころ」からなっている。 (2)「エンリッチメント」は、空間思考を用いる場面を広げ、空間思考の質を深めること、従って学習内容も拡がり、深まることを目標としている。ここに位置づけている活動・内容は、生活、遊び、アートなどの世界に広く素材を求めた活動、探究活動、コンピュータを用いた活動などが対応する。 (3)骨子は空間思考の育成の視座から、立体・空間図形・空間に焦点を当てた活動構成になっているが、平面図形、計量と関連づけて位置づけている。 (4)小学・中学・高校段階の各目標を示して、内容軸と活動軸とが密接に関連しながら、小学-中学-高校に発展する構成である。 3.さらに次の諸点の特徴をもっている。 (1)投影、切断、展開などの操作を、小-中-高校に応じてスパイラルに位置づけた。 (2)表現と表現間の変換を重視して、(1)の操作と結び付けて、空間的イメージと心的操作の柔軟性をねらう。 (3)球に関する内容と活動を豊かにする。まず、小学3年の球について、多面的な活動を入れる。中学3年で平面上の図形と対比して球面上の図形を扱い、高校でその延長上で扱う。 (4)小学校段階で、ポリキューブを活用する。ポリキューブの構成、多様な図表現の方法、体積、次元の観念などにつながる利点をもつ。 4.カリキュラム骨子のいくつかについて、教材開発、教具の創案・活用、指導法の改善による授業実践を行い、骨子の可能性と妥当性を検討した。
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Research Products
(3 results)