2004 Fiscal Year Annual Research Report
幼児の自然体験プログラムの開発と普及に関する実践的研究
Project/Area Number |
15500601
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Research Institution | Kinki Health Welfare University |
Principal Investigator |
井上 美智子 近畿福祉大学, 社会福祉学部, 助教授 (80269919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
無籐 隆 白梅学園大学, 学長 (40111562)
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Keywords | 環境教育 / 自然体験プログラム / 幼児 / 保育 / 保護者 |
Research Abstract |
前年度末に実施した、東京都・兵庫県の保育所・幼稚園1600園を対象とした質問紙調査は5月末で回収を終了し、入力後、現在分析中である。回収数は427園で回収率は26.7%であった。東京都よりは兵庫県、公立幼稚園と私立保育所からの回収が比較的良好であった。回収園は自然体験への関心が高い園だと予想され、実際に分析中の結果には保育現場がそれなりに自然体験の保障を意識している実態がうかがえた。しかし、環境教育の視点からはその内容が重要であり、今後、その観点からの分析を進める予定である。 前年度から継続して実施している、幼児の自然体験プログラムの開発を目的とした民間の環境教育実践施設キープ自然学校における幼児対象自然キャンプに3回、参与観察者として参加した。今年度は前年度の反省を踏まえ、「森の幼稚園」という名称で7回の企画が立てられた。しかし、リピーター参加者が多く、予定外で6回の別企画が追加で実施された。開始した前年度には予想できなかった希望者数であり、幼児を持つ親が求めていることが伺えた。幼児のプログラムの観察は、発話記録と観察記録を取るという方法を踏襲し、これも現在、分析中である。また、保護者に対しては今までの自然体験量や幼児と自然との触れあいについての考え方などを知るための質問紙調査も並行して実施した。昨年度は秋から冬にかけての実施であったが、今年度は通年を通しての実施であったため、1年間のプログラム計画の基本が確定した。次年度は、これらを元に、今年度の反省と評価を踏まえて、プログラム計画を洗練させていく。 このキャンプの特徴の一つとして、保護者も参加し、保護者も自然体験プログラムを子どもと離れて行うというものであるが、この企画は保護者にとって大きな意味があるようで、保護者の変容が子どもの受け止め方にも影響するのではないかと感じられた。幼児の場合は、親をどう巻き込んでいくのかという観点も重要であるとわかった。
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