Research Abstract |
高等教育における教育の情報化の一環として、授業の公開=授業の再利活用に必要なシステムの研究開発を進めている。授業において,Powerpointなど情報メディアの活用が進んでいるが、マルチメディアが学生の関心を惹きつける一方で、その全面的利用は,コンテンツの完成度が高いほど、ノートがとりにくく、学生を受身にし、深い思考と問題発見を難しくし、授業の場での学生の知識構築を容易でなくしている。本研究において,私たちは,この問題の解決に資するものとして,授業収録公開システムの開発を行った。授業収録公開システムは既存のものがある。それらは、教材としてPowerpointの利用を前提とするもの、ディスプレイ/プロジェクタへのRGB出力をキャプチャーし,映像と同期をとるもの,あるいは,講師の映像と資料の映像を同時に収録するものといったものである。私たちは、既存のものとは異なる考え方で開発を行った。Windows PCの利用を前提とするが,使用するソフトウェアを限定しない。物理的な画面変化ではなく,講師のキーあるいはマウス操作にしたがってPC画面を収録する,つまり,講師主導とする。PCとAV機器以外,特別なハードウェアの装備を求めない(もちろん,映像のエンコード装置や映像配信の装置は必要である)。そして,講師に負担をかけないように,最初の予約と最終的な公開の判断以外は,すべて自動で行うことが可能とした。2005年3月に,北海道大学では,教育用の情報システムを更新したが,そこで構築した教育学習支援システムELMSに組み込み,情報教育を対象に,試験的に授業収録を行い,本稼動に供しうることを確認した。その様子は,一部,地元の北海道新聞において紹介された。通常の授業以外に,オープンコースウェアにおける講義資料等の作成における利用も検討している。
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