Research Abstract |
昨年度の研究成果を踏まえて,本年度は,まず英国の小学校のカリキュラムコーディネータの役割に関する事例研究,その日英比較に着手した。5月〜8月に,文献や昨年度実施した国内の実践事例に関するデータの整理結果を参考にしながら,英国の小学校におけるカリキュラムコーディネータの役割を記述するための観察・面接調査の観点と手順を明確にした。また,並行して,現地の学校現場にコンタクトを取り,訪問地や訪問日程を明らかにした。9月に,実際に英国を訪問し,3小学校と2中学校において,上記の枠組みに基づき,観察・面接調査を実施した。例えば,ある小学校ではカリキュラム・エンリッチメント・コーディネータが,学級担任をリードしながら,音楽・美術・体育などを連結させたドラマの授業を展開していたが,そうした取り組みの手続き等をヒアリングした。また,ある小学校では,ナショナル・ギャラリーが企画・運営するプロジェクトに参画するスタイルで,必ずしもコーディネータが活躍しなくても,クロスカリキュラアプローチを実現している事例に接した。 10〜12月には,英国訪問により得た事例を,国内のものと比較検討し,両国の総合的な学習,その発展に対してカリキュラムコーディネータが果たす役割について,共通点や差異点を明らかにした。 また,研究の中間的な成果を日本教育工学会年次大会(9月)や,同学会の研究会(3月)において報告するとともに,1〜2月にかけて,本研究による知見を報告書にまとめた。
|