2003 Fiscal Year Annual Research Report
ネットとリフレクションが支える異文化交流・連携による学習環境の研究
Project/Area Number |
15500642
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
宮田 義郎 中京大学, 情報科学部, 教授 (00239419)
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Keywords | 異文化交流 / 学習環境 / 創造的学び / オンラインコミュニケーション / リフレクション |
Research Abstract |
異文化のコラボレーションを通じて、自らの文化を超えた言動を生み出すような創造的学びの場の実践とその分析・理論化を行った。 ●実践 ワールドユースミーティング(WYM)においてリフレクション・ヴィデオ制作を担当し、好評を得た(7月)。English Playshop(8月)においては、新しくアメリカの子供達とのテレビ会議を試み、成功した。南オーストラリア大学との交流では9月に渡豪し関係者と打ち合わせした結果、Study Tour(2〜3月)では新たにUnaipon Schoolにおけるワークショップ、Coorongでのキャンプとアボリジニとの交流などを実現でき、異文化交流をより深めたツアーとなった。学生が開発したコミュニケーション・ツールCommuneを活用したオンライン交流も実現し、International Media ForumをIngrid Day教授と共同開催した(11月)。 ●分析・理論化 WYMでの数ヶ月に渡る交流を分析した結果、高校生の行動及びオンラインの発言で、自分と他人との関わりを作ろうとする言動が増加する傾向がみられ、自己を他者との関係の中で活動する存在と観る「関係的世界観」への変化が示唆された。分析に基づき提案した異文化連携の三段階モデル(宮田他,2003,日本認知科学会大会)において、最初の「始動フェーズ」については、異文化の接触の場面で不安・緊張などが緩和され、積極的な協調活動が起こる過程が明らかになってきた(吉川他2004)。二段階目の「継続フェーズ」では、約3万回のチャット発言の分析から、関係的世界観への変化に伴い、他人のコミュニケーションを促進しようとするメタな発言が、初期には主に教員と大学生に、後期には高校生にもみられた(宮田他2003,International Conference on Cognitive Science)。アート表現を深めるリフレクションのサポートでは表現観の変化の観点から受講者の発言を分析した(山口,宮田,2003,日本認知科学会大会)
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