2003 Fiscal Year Annual Research Report
縄文時代クリ利用実態復元のための現生・出土クリに関する基礎的研究
Project/Area Number |
15500668
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
新美 倫子 名古屋大学, 博物館, 助教授 (10262065)
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Keywords | 野生クリ / 収穫量 / 縄文時代 |
Research Abstract |
研究代表者はこれまでにも愛知県小原村で1999〜2002年度の4年間に渡って、野生クリの収穫量・収穫期間調査を行ってきたが、2003年度もこの調査を継続して行った。調査の方法としては、1999〜2002年度の調査で使用した観察対象樹24本を用いて、これらのクリの木で秋期に実が落ちはじめたら、熟して落ちたクリの実を毎日それぞれの木ごとに採集して持ち帰った。調査期間は約2ヶ月間であるが、この期間は毎日名古屋大学から小原村にクリ採集に通った。採集した1つ1つの実について、木ごとに通し番号をつけ、長さ・幅・厚さを計測し、さらに定温乾燥機によって80℃で48時間乾燥後に重量を計測し、記録した。この作業を全てのクリの実が落ち終わるまで続け、各観察対象樹ごとの収穫期間の長さ・その期間中における落果数の日変動・実の平均重量を記録した。 クリが縄文時代の主要な食料ならば、年による収穫量の変動こそが人口扶養力を左右する大きな問題であるが、この5年問の調査データから収穫量の年変動サイクルや、年変動は地域を単位とするのか、それとも木ごとに独立で変動するのか等について分析し、その結果を雑誌「考古学と自然科学」47号に「野生クリ(Castanes crenata)の収穫量の年変動について」として発表した。また、新潟県青田遺跡(縄文時代晩期)出土クリのDNA分析を行い、ITS領域の塩基配列決定を試みて、その結果を2003年度の日本文化財科学会大会で発表した。
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Research Products
(1 results)