2003 Fiscal Year Annual Research Report
伝統的木造建築物およびそこに安置してある文化財の地震被害低減に関する研究
Project/Area Number |
15500671
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Research Institution | Nagano National College of Technology |
Principal Investigator |
服部 秀人 長野工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (20043044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 廣史 長野工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (00021014)
榎本 憲正 長野工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (40332019)
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Keywords | 伝統的木造建築物 / 文化財 / 地震被害 / 振動測定 / 振動特性 |
Research Abstract |
研究初年度に当たり、江戸時代に建立された正源寺(長野市七二会甲)本堂の修理に伴い、修理前の現況における振動測定を行なった。本堂は南に面して建っており、振動計の配置は以下のようである。本堂前地面上3ch、本堂床中心3ch、本堂床北東隅3ch、本堂床南西隅3ch、本堂床南東隅2ch、本堂床北西隅2ch、天井中心梁上2ch、天井北東隅梁上3ch、天井南西隅梁上3ch、天井南東隅染上2ch、天井北西隅梁上2ch、最上梁中心2chの計12箇所で測定した。3chと記したのは、水平(南北・東西)2成分、上下動1成分の測定を意味し、2chは水平2成分のみの測定を意味する。合計3Ochの観測を行なった。 測定は常時微動の30分連続観測と、人力加振について実施した。人力加振は、微動観測から読み取られた固有振動数1.4Hzをメトロノームにセットし、そのリズムに合わせて9人により人力による共振実験を行なった。加振方向は正面-奥行き方向(南北)と左右方向(東西)について行なった。 データ分析の結果、修理前の現況において、固有周期は正面-奥行き方向(南北)で1.35Hz、2.20Hz、4.45Hzであり、左右方向(東西)で1.30Hz、 2.10Hzなる値が得られた。これらの値は今後行なわれる修理中および修理後の測定と対応させて比較することにより本堂の振動特性を考察することになる。
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