2003 Fiscal Year Annual Research Report
地図嫌いの発生要因の解明と地理教育による改善方法の検討
Project/Area Number |
15500680
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
志村 喬 上越教育大学, 学校教育学部, 講師 (70345544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 宏治 富山大学, 人文学部, 助教授 (10324443)
田部 俊充 日本女子大学, 人間社会学部, 助教授 (20272875)
寺本 潔 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (40167523)
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Keywords | 地図 / 地図嫌い / 地理教育 / 地理情報システム / 地図帳 / 地形図 |
Research Abstract |
本研究の目的は(1)日本において「地図嫌い」が発生するプロセスを明らかにすること、(2)その反対の性向である「地図好き」といわれる人々が発生するプロセスを明らかにすること、(3)地図教育によりどのようにして地図好きを創り出すことができるのかを考案すること、(4)一般の社会人に地図を活用してもらうにはどのようにすればよいのかを考案すること、以上4点である。 本年度は上記研究目的のうち(1)と(2)を解明することが主な研究目的であった。 この研究目的を達成するために、地図好き、地図嫌いがどのように発生するのかを、大学生を対象にしたアンケート調査によって明らかにしようと試みた。その結果、地図帳に対しては小学生から中学校に年齢があがるにつれ、愛着が薄れていくことがわかった。また、旅行先の決定や旅行に行く場合も地図をみて自分の行動を決定する者は半数強であり、地理学者は移動に際して地図を持つのは当然だと思いがちであるが、一般社会では必ずしもそうではないという傾向をつかむことができた。他にも、地形図に関しては学校教育で触れる機会はなく、大学生になった今日でも地形図の納入方法さえわからないものが多かった。 また、親子参加型の地図作品展を催した場合、どれほどまでの教育効果があるのかを探り、親子でGISを学ぶ、実験的な教育実験を行った。親子で地図を作製する作品展を実施することで、親子の地図に対する親近感が高まるという印象を得た。 他に、研究分担社2名がアメリカの地理教育カリキュラムの情報収集を行い、アメリカでの地図教育の実情を探った。その詳細は現在、分析中である。
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[Publications] 大西宏治, 寺本潔: "親子参加型の環境地図作品展におけるGIS活用の可能性"地理情報システム学会講演論文集. 12. 263-266 (2003)
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[Publications] 大西宏治: "地理情報システム(GIS)の活用(1)"とやま経済月報(Webマガジン). H16-2. (2004)
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[Publications] 大西宏治: "地理情報システム(GIS)の活用(2)"とやま経済月報(Webマガジン). H16-3. (2004)
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[Publications] 寺本 潔: "子どもの知覚環境形成に関わる研究と教育の動向"人文地理. 55・5. 71-85 (2003)
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[Publications] 田部俊充: "全米地理教育協議会の設立における地理学団体の影響"人間研究. 39. 11-21 (2003)
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[Publications] 志村 喬: "「ナショナル・カリキュラム地理」改訂にみる初等・中等地理教育カリキュラム編成原理-地誌的学習内容の変更を中心に-"上越教育大学研究紀要. 23・1. 225-243 (2003)
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[Publications] 志村 喬: "イギリスにおける地理テキストブック研究の進展"上越社会研究. 18. 3-10 (2003)
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[Publications] 志村 喬: "イギリスにおけるポストモダンと地理教育をめぐる最近の議論"地理科学. 59・1. 47-58 (2004)
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[Publications] 寺本 潔: "地理教育の内容 村山祐司編『21世紀の地理』第4章"朝倉書店. 79-99 (2003)
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[Publications] 田部俊充: "アメリカ合衆国 村山祐司編『21世紀の地理』第6章第1節"朝倉書店. 132-145 (2003)
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[Publications] 志村 喬: "イギリスにおける地理教育の動向と課題 村山祐司編『21世紀の地理』第6章第2節"朝倉書店. 145-160 (2003)