2005 Fiscal Year Annual Research Report
農林水産物の直売事業による農山漁村の活性化に関する研究
Project/Area Number |
15500694
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Research Institution | Matsuyama University |
Principal Investigator |
篠原 重則 松山大学, 人文学部, 教授 (50226156)
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Keywords | 農林水産物の直売 / 過疎地域 / 農山漁村の活性化 / 徳島県海部郡 / 地域資源 / 観光農業 / 西条市 / 愛媛県内子町 |
Research Abstract |
わが国の農山漁村は人口減少が著しく、過疎地域となっており、農林漁業に従事する後継者が少なく、人口過疎と人口高齢化が同時に進行している。しかしながら、その農山漁村で活力があるのは、農林水産物の直売所とその直売事業にたずさわっている住民である。筆者が「農林水産物の直売事業による農山漁村の活性化に関する研究」に着目したのは、過疎に悩む農山漁村の活性化を意図したことにある。 筆者は北上山地の北部山村、和歌山県の農山村、日本海上の隠岐島、四国4県の農山漁村-愛媛県の三崎町・内子町・西条市・香川県の綾南町・高知県の馬路村などに事例を求めて研究活動を継続したが、各地の農林水産物の直売所とそれにたずさわる住民は、各地域の特性を反映し、千差万別であることが判明した。 そのなかで活力に富む直売所と直売活動に情熱をもって取り組んでいる住民のいるところには、有能な指導者がリーダーシップを発揮して、地域住民を鼓舞している地域であることが判明した。 岩手県の北上山地はヤマセの吹きすさぶ冷害常襲地であり、ヒエを主とする雑穀栽培地として有名であったが、その雑穀は有機栽培に適しており、その雑穀は食物アレルギーに悩む都市住民に通信販売で盛んに販売されている。高知県の馬路村は国有林地帯で、近年営林署を退職した高齢者がユズ栽培に従事している。高齢農夫の栽培するユズは管理不充分で生果としては販売できないが、農協が果汁に加工して30億円に達する収益を得ている。和歌山県の南部川村は、役場にウメ課を設置し、ウメの栽培からウメ干し作りまで村内において一貫体制で行い、和歌山県随一の所得を上げる村を作った。愛媛県の三崎町は四国の西端に位置し、鮮魚の市場に恵まれなかったが、東京・松山のホテル・鮮魚店などに魚を直売し、県下有数の豊かな漁村を構築した。
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Research Products
(5 results)