2003 Fiscal Year Annual Research Report
地球温暖化により増加が予想される土壌有機物分解量に及ぼす腐植保持容量の影響評価
Project/Area Number |
15510021
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田村 憲司 筑波大学, 応用生物化学系, 助教授 (70211373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 照雄 筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (20094170)
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Keywords | 土壌 / 土壌有機物 / 気候 / 地温 / 温暖化 |
Research Abstract |
鹿児島県屋久島において、標高を異にする研究地点を対象として、その地点の代表的土壌断面の選定、および土壌断面の形態観察調査を行った。そして、その調査に伴って、土壌層位別の土壌試料の採取を行い、採取した土壌の一般理化学性の分析、土壌有機物の分析を行なった。 標高別の地点は、標高720mのウラジロカシ林から標高1920mの宮之浦岳にかけての森林土壌、およびヤクシマダケ草原において土壌調査を行なった。そして、代表的な断面を選定し、層位ごとに土壌試料を採取した。さらに、自記温度計を地中に設置し、地温の観測を開始した。 屋久島に分布する火山灰土壌の土壌断面形態的特徴は以下のとおりであった。標高70m(小瀬田)の土壌は、黒ぼく質A層が存在することから、日本の統一的土壌分類体系第一次案では、典型的黒ぼく土に分類された。標高160m(安房川右岸)の土壌と標高720m(モッチョム岳)の土壌は、黄褐色森林土的土壌断面形態を有していた。標高1425m(淀川小屋)の土壌は、A層の土壌のリン酸吸収係数が1500以下(B層は1640)であったが、本地点の土壌試料中に火山ガラスが多く含まれていたため、火山灰を母材とした酸性褐色森林土であると思われた。標高1920m(宮之浦岳)の土壌は、黒色味が薄いが、厚いA層をもっていたため、亜高山草原土(加藤,1966)類似の土壌であると思われた。また、本地点では笹による土壌への炭素供給量が多いため、多量の有機炭素の集積が認められた。
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Research Products
(1 results)