Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今泉 博国 福岡大学, 経済学部, 教授 (30151666)
市川 芳郎 日本文理大学, 商経学部, 教授 (40168315)
井田 貴志 熊本県立大学, 総合管理学部, 助教授 (60265030)
仁部 新一 九州共立大学, 経済学部, 助教授 (20268775)
大石 和博 那須大学, 都市経済学部, 専任講師 (60326965)
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Research Abstract |
3年間にわたる研究の成果は,すべてが完成され公刊されているわけではないが,今年度は最終年度として,精力的に地域におけるコモンプール財の最適管理という視点から,整理しまとめの研究を行った. 【1】コモンプール財の最適な管理・運営をもとめる理論分析を継続し,とくに,当該年度にあっては,静学的な分析のほかに地域間協力に関して,非協力および協力のモデルを構成し分析した.今年度は,森林コモンプールに関連して,わが国の保安林制度をめぐる地域政策の分析,中国における退耕還林政策に関する実証分析を行った.国と地域,住民の関係を見る上で,両者はともに森林を軸とした分析であり,興味深い結論を得た.また,エコツーリズムは,近年有望な産業として注目を浴びている.これに関して,エコツーリズムのモデル分析を行った. 【2】引き続き,地域における環境財の最適保全策をめぐる実態調査を行なった.加えて,エコツーリズムに関する実態調査ならびに統計調査をすすめるとともに,一定の研究成果のもとで構築されたエコツーリズムの計量分析を試みた.エコツーリズム自体は、地域の環環保全と開発を同時に達成可能な意義ある開発形式として脚光を浴びてきたが、成功している事例ばかりであるとは限らない。今年度は、わが国、国内における地域事情と合わせて、モンゴルなどアジア諸地域の事例をさらに調査し、共通する課題、あるいは先進的な事例を検討して、比較検討や政策提言を行った.とりわけ,現在のわが国のおかれた地域開発としての観光開発の課題が,モンゴルなどで実践されつつある開発手法の課題と共通するところがある点が明らかにされた. 【3】昨年度は、NPOや自治体の環境保全政策の現状と地域開発のもたらす環境へのマイナス効果についての現状分析を行なった。今年度は、引き続き,研究者の在住する近隣の九州,関東の諸地域について(具体的には,筑後川,多摩川の流域圏の地域主体)の実態調査とあわせて資料を整理した.とりわけ,実践の中から,あるべきNPOや住民運動の課題を抽出する手法で,遠賀川流域や大川のクリーク活動の評価,分析を行った. 【4】昨年同様、研究動向を探るために,国内および国際的な学会研究集会に積極的に参加・報告し、他の研究者との交流を深めた.日本地域学会,日本政策学会および日本計画行政学会での参加をはじめ,国際地域学会への参加を果たした.さらに意見交流のための研究会を開催した.
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