2004 Fiscal Year Annual Research Report
紫外線の変異毒性を回避する生体皮膚表皮で発見された新たな応答機構の解明
Project/Area Number |
15510040
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
池畑 広伸 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90250737)
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Keywords | 突然変異 / 紫外線 / 皮膚 / トランスジェニックマウス / 皮膚がん / オゾン層 |
Research Abstract |
我々は生体皮膚に対するUVBの突然変異誘発能の研究の中で、ある一定以上のUVB線量では表皮において突然変異誘発が強く抑えられることを発見した。本研究では、この皮膚表皮に備わるUVB突然変異誘発の抑制応答のメカニズムを解明することを研究目的としている。この変異誘発抑制応答の機序として、表皮細胞のapoptosisや炎症性免疫といった組織レベルの選択排除の機構によって一定以上の突然変異またはDNA損傷を受けた細胞が選択的に排除されるような反応を想定して研究を行い、以下の結果を得た。 1.前年度に引き続き、マウス皮膚におけるUVB照射後のapoptosisの出現の有無を、変異誘発抑制応答の見られる線量域500-1000J/m^2で、皮膚組織切片を作成して経時的に観察を試みたが、方法論的にうまく行かず明確な結果を得るには至らなかった。 2.apoptosisに欠損があるとUVBに対する変異誘発抑制応答が見られなくなるかどうか調べるために、遺伝学的アプローチとしてapoptosis能に異常のあるp53欠損マウスにUVB照射実験を行い、変異誘発抑制応答の出現の様子を調べた。その結果、依然として野生型マウスと同じようなUVB線量から変異誘発抑制応答を示すことが明確に認められ、少なくともp53に依存するapoptosisはこの現象に関与していないことが明らかとなった。このことより、変異誘発抑制応答を誘導している機構としてはp53非依存性のapoptosis、または炎症性免疫反応が関与している可能性が高いことが示唆された。
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Research Products
(1 results)