2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15510079
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Research Institution | Ichinoseki National College of Technology |
Principal Investigator |
二階堂 満 一関工業高等専門学校, 物質化学工学科, 助教授 (30218094)
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Keywords | メカノケミカル効果 / 乾式粉砕 / 土壌固化 / エトリンガイト / 重金属固定化 |
Research Abstract |
本研究では、主にエトリンガイト生成系での水和固化反応に着目し、原料として産業副産物となる土壌(沖縄県赤土や浚渫土)、高炉スラグ(CaO含有)を用い、それに酸化カルシウム、硫酸カルシウム等の試薬を添加、遊星型ボールミル粉砕機を用いて乾式混合粉砕(メカノケミカル処理)を行い、固化体特性(強度やアルカリ溶出性)に及ぼす粉砕効果について検討した。さらにカドミウム試薬を微量添加し、同様な固化実験を行い、重金属イオンの溶出抑制効果について検討を行った。今年度は主原料として沖縄県の赤土および高炉スラグを用いて実験し、以下のような結論を得る。 1.スラグ配合量、エトリンガイト生成、固化体強度の関係 (1)スラグの配合量の増加によって、ある程度の圧縮強度が得られる。 (2)スラグはアルカリ溶出にほとんど影響せず、エトリンガイト生成にも影響しない。 (3)エトリンガイトはアルカリ性条件下で生成するが、エトリンガイトが生成していても必ずしも高強度は得られない。高強度化には粉砕処理が必要である。 (4)固化体の圧縮強度およびアルカリ溶出(pH)は、生石灰と硫酸アルミニウムの配合量の兼ね合いによってほぼ決まる。 2.エトリンガイト生成と重金属溶出制御効果に及ぼす粉砕効果についての検討 (1)粉砕処理(遊星型ボールミル粉砕)は固化体の強度発現に有効である。 (2)粉砕処理を施した固化体では、エトリンガイトの生成とpHの増加により、重金属(Cd)溶出制御効果を持つ。
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