2005 Fiscal Year Annual Research Report
Siナノ結晶中への量子閉じ込め等電荷トラップの形成と高効率発光
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15510091
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| Research Institution | Kobe University |
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Principal Investigator |
藤井 稔 神戸大学, 工学部, 助教授 (00273798)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 真至 神戸大学, 工学部, 教授 (50107348)
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| Keywords | 発光 / シリコン / ナノ結晶 / ドーピング |
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| Research Abstract |
Siナノ結晶は、電子-正孔の空間的な閉じ込め(量子サイズ効果)により、光学遷移時の運動量保存則が部分的に緩和されている。その結果、バルクSi結晶に比べて発光再結合レート(振動子強度)が大きくなる。本研究では、Siナノ結晶中に等電荷トラップを形成し、結晶格子の並進対称性の崩れを導入することにより、振動子強度のさらなる増大を実現する。ナノ結晶では、さらに量子サイズ効果により、不純物に対する励起子の束縛エネルギーが増大することが期待され、その結果、高温において束縛励起子からの強い発光が期待できる。昨年度までに、PとBを同時にドーピングしキャリアを補償したSiナノ結晶が不純物をドーピングしないSiナノ結晶よりも高効率に発光することを示した。また、不純物制御によりSiナノ結晶の発光波長を0.9eVから1.6eVまで制御可能であることを明らかにした。今年度は、n型及びp型の不純物を同時ドーピングしたSiナノ結晶の発光メカニズムの解明を試みた。共鳴励起発光測定により、不純物を同時ドーピングしたSiナノ結晶の発光は、ドナー-アクセプター準位間の遷移に起因するものであることを示した。つまり、Siナノ結晶にドーピングされたドナー原子とアクセプター原子のペアが、等電荷トラップのように機能し、Siナノ結晶の発光特性を大きく改善していると考えられる。さらに、n型及びp型の不純物を同時ドーピングしたSiナノ結晶とErイオンの相互作用について研究を行った。その結果、内部でキャリアを保証したSiナノ結晶は、不純物をドーピングしないSiナノ結晶に比べてより高効率にErイオンを励起できることが明らかになった。以上の結果は、不純物制御により、Siナノ結晶の光学特性を大きく改善できることを示しており、Siナノ結晶の光学素子への応用を実現する上で、非常に重要な成果である。
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