2004 Fiscal Year Annual Research Report
銅酸化物のナノ構造物性-高温超伝導体の異常物性との相関及び新規物性開発
Project/Area Number |
15510093
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
鄭 旭光 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (40236063)
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Keywords | ナノ物性 / チャージ・ストライプ / 電荷秩序 / 反強磁性 / スピングラス / 幾何学的フラストレーション / 天然銅酸化物 |
Research Abstract |
本研究の主な成果: 1、銅酸化物系において最単純反強磁性絶縁体CuOに正孔をドーピングし、CuOは他の反強磁性体NiO等よりも反強磁性の減衰が著しく早いことを観察し、更にチャージストライプのような電荷秩序を観察した。また磁気相の分離という証拠をμSR測定により得ている。 2、CuO及びLa_2CuO_4のナノ粒子を作製し、ナノサイズによるそれぞれの磁性変化を調べた。その結果、CuOのナノ粒子において臨界温度(ネール温度)が激減するという予期していなかった新しい実験結果を得た。 3、天然銅酸化物Cu_2Cl(OH)_3においてスピングラス特性を見出し、更に幾何学的フラストレーションによって磁気秩序とスピン揺らぎの共存という新しい結果を得た。幾何学的フラストレーションに関してはスピンアイスのような希土類物質系が発見されているが、本研究によって新規のd電子幾何学的フラストレーション系が発見された。 以上の研究成果は2004年度の10編の学術論文にて公表しており、いずれも初めての報告及び発見であり、独創的である。
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