2004 Fiscal Year Annual Research Report
Si(111)-7x7上に形成されるZn_3-クラスターとその積層羽かむ構造の決定
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15510095
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Research Institution | SAITAMA INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
田中 虔一 埼玉工業大学, 先端科学研究所, 特任教授 (00016718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根岸 利一郎 埼玉工業大学, 人間社会学部, 講師 (70237808)
伊藤 正時 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (80005438)
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Keywords | 自己組織化 / Si(111)-7x7表面 / 吸着のrecurosor / Sn_2、Zn_3クラスター形成 / ハネカム構造 / 吸着構造形成の初期過程 / 弱い相互作用 / アルコールの解離吸着 |
Research Abstract |
原子レベルで「表面構造と電子状態」が分かっているSi(111)-1x1を用い金属原子の吸着機構および特異な否吸着構造を明らかにした。これまでの研究は金属原子がSi(111)-7x7表面にmonolayer近くが吸着し規則構造を形成することに関するものが殆どで、Pb, Sn, Ag, Pd, Tl, K等についてはLDOSの高いFaulted halfに選択的に吸着すると報告されている。しかし、吸着を理解する上で重要な初期過程の研究は殆ど無く、従って最終的な規則構造の形成機構は分かっていない。我々はSi(111)-7x7表面で個々の金属原子がどのようにして最終的な配置構造になるかを走査トンネル顕微鏡(STM)を用いて調べた。1個の原子が示す表面での動的挙動は完成された吸着構造からは全く想像できないことがはっきりと分かった。例えば、half unit cellに取り込まれたSn原子は表面を速く動き回りSTM像はノイズのように見える。このSn原子のいるhalf unit cellに隣接するhalf unit cellに別のSn原子が入るとSn原子は直ちにSn_2クラスターを作って安定化する(Surf.Sci., 479(2001)26)。動き回るSn状態は吸着で仮定しているprecursor状態の具体例と言える。ZnはLDOSに関係なくhalf nuit cell内でZn_3クラスターを作ることで安定化しZn_3を基本とするハネカム構造が形成される。さらにZn_3クラスターがその上に形成されるため4層までのスーパーハネカム構造の新規物質が形成されることを発見した(Phys.Rev.B, 66(2002)121304)。弱い相互作用による「0次元、1次元、あるいは二次元的自己組織化」により「表面にのみ存在する擬似物質」の形成が理解できることを示した(表面科学, 24(2003)700)。
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Research Products
(6 results)