2003 Fiscal Year Annual Research Report
リチウムイオン導電体のナノ構造形成による高機能化に関する研究
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15510104
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
井上 直樹 愛媛大学, 理学部, 教授 (50110771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 一郎 愛媛大学, 理学部, 教授 (00116914)
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Keywords | リチウムイオン導電体 / 微粒子分散 / 電気伝導 / 球共振法 / NMR / リートベルト解析 |
Research Abstract |
リチウムイオン導電体は、現在市販されているもっとも重要な二次電池用素子となっている。しかしながら、性能はエネルギー密度や安定性の問題で不十分であることが知られている。これらの問題を解決するための高イオン伝導化と高安定化の方法を基礎的な問題から研究したものである。本年度の成果をまとめる。 1.リチウムイオン導電体La_<4/3-y>Li_<3y>Ti_2O_6(以後LLTOと略す)のLiイオン濃度依存性に関して、電気伝導、X線回折とリートベルト解析による構造解析、^7LiNMRによる局所構造などから調べ、イオン伝導機構解明の成果を得た。それについては、15年9月の国際会議で発表した。これらの成果をもとに、LLTO(y=0.21)に絶縁体微粒子Al_2O_3およびTiO_2(粒径5μm)を分散した複合物質を研究した。前者の場合、電気伝導は向上しなかったが、後者のTiO_2は、バルク伝導においては24%の向上がみられ、粒界抵抗においては、50%の減少がみられた。このことは、このTiO_2微粒子分散が有望であることがわかった。 2.LLTO(y=0.21)について、球共振法による弾性振動とイオン伝導緩和の研究を行った。直径約7mmの球を用いた場合、約900Hz付近に_0S_5伸び縮み振動が測定できた。このモードに着目し、共鳴スペクトル幅の温度依存性を測定した。この幅は、膨張圧縮によるLiイオンの内部摩擦に関係すると考え、解析を行った。求められた活性化エネルギーは、0.19eVとなり、電気伝導から求めた約0.3eVよりやや小さい。この原因は明らかでないが、これらの成果は、第48回音波の物性と化学討論会に11月に発表し、また16年3月に第59回日本物理学会にて発表の予定である。また、16年3月には(1)と(2)およびそれらの基礎を含めて、中国烟台大学で招待講演する予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Y.Zou, N.Inoue: "Microstructure and lithium ion conductivity in La_<4/3-y>Li_<3y>Ti_2O_6"Abstracts of The 1^<st> International Discussion Meeting on Superionic Conductor. 2003, Sept.. 53-54 (2003)