2003 Fiscal Year Annual Research Report
地域企業体によるネットワーク統合型生産システムの開発
Project/Area Number |
15510114
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
井山 俊郎 岩手大学, 工学部, 教授 (30109152)
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Keywords | 金型 / スケジューリング / ディスパッチングルール / 外注部品 / 外注部品選択法 / 金型情報 / 加工メイクスパン |
Research Abstract |
日本の金型産業は,地域に分散し生産設備が不十分な中小企業が中心となっており,受注戦略や産業効率の点から弱い立場にある.したがって,地域金型企業体のようなネットワーク統合型産業システムを構築し,企業群の相互情報に基づいた適切な部品外注方式と金型受注方式を考え,加工・組立作業の相互補完を考慮した最適な企業間作業分散化による受注量増加と短納期化を目指す必要がある.本研究では,生産設備の有効利用と短納期化を目指し,個別企業が最適な外注部品選択を行う外注部品選択システムを開発した. (1)外注部品選択システムとして,s日間の受注金型情報を用いて仮スケジュールを組み,1日毎の外注部品を選択し,1日毎の実スケジュールを確定するシステムを開発した.本システムは,日々異なる金型を受注生産する工場を対象とするため,仮・実スケジュールに対し,ダイナミックな環境下でスケジューリング可能なディスパッチングルールを採用している.具体的には,金型の部品単位と金型単位のスケジューリングが可能な各種ルールを搭載し,選択可能である. (2)外注部品選択方法は,仮スケジュール情報を利用しない方法と利用する方法の2種類が選択可能である.前者は山積された作業負荷量から求められる各機械の予定機械稼働率を用いて外注部品を選択する方法である.後者は,仮スケジュールで得られた各部品の加工納期遅れ時間や金型納期遅れ時間を用いて外注部品を選択する方法であり,4種類の方法を搭載し,選択可能である. (3)金型企業を対象としたシミュレーション実験から,以下のことが明らかにされた. ・仮スケジュール日数の増加は,加工メイクスパンの短縮化に有効であり,未来の金型情報(4日程度)が不可欠である. ・仮スケジュールと実スケジュールには,組立時刻を意識した金型単位のスケジューリング方法が加工メイクスパンの短縮化に有効である. ・外注部品選択方法は,納期遅れを起こした部品の中から納期の早い順に選択する方法が加工メイクスパンの短縮化に有効である.
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