2003 Fiscal Year Annual Research Report
SCM構築のためのスコアカードによる企業診断モデル・システム開発の運用
Project/Area Number |
15510118
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
圓川 隆夫 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (70092541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 定省 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助手 (50323811)
曹 徳弼 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助教授 (30242275)
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Keywords | SCM / スコアカード / ベンチマーク / ROA / キャッシュフロー / 棚卸し回転率 |
Research Abstract |
本研究では,SCM構築のための自己評価用スコアカード(ロジスティクス・スコアカード,以下LSC)について,これまでの蓄積データの有効活用を損なわぬように環境等の評価を加えたスコアカードをバージョンアップした上で、製造業については、食品、繊維・製紙、化学、医薬品、電機、機械等の業種ごとに最低20以上の約150社、物流業については50社程度のスコアカードの評価データを基に、スコアカードの評価点と調査企業の財務データとの関連分析のブラッシュアップしたSCM診断システムの構築を行った。また同一企業における経年変化の分析機能も追加した。 このLSCについて、内部構造分析を行うことによって新たにSCM組織力、市場変化対応力、情報技術活用力、在庫管理力といったロジスティクスパフォーマンスを規定する因子を抽出した。SCMにおける企業活動の成果指標としての在庫やキャッシュの回転率を目的変数とし、それを阻害するSCM困難度∝不確実性×意思決定段階数×ボトルネックタイム、という仮説の下に、これらの要因に関連した評価項目をもつ因子の因子得点に基づき、対数線形の重回帰分析等を援用しながら探索的に定量モデル式の推定とその最適モデルの選定を行った。スコアカードの得点と外部的な財務データとの関連の統計的分析に加えて、スコアカードの各項目とキャッシュフローやROA等の現代企業における重要財務指標との関係付けを論理的に行うことが出来、より明示的な経営成果を上げるためのイネーブラーとしての評価項目に対するそれをアップさせるための経営的意味を明確することが出来た。 以上のような結果に基づくSCM構築のための企業診断モデルや簡易版のシミュレータは実用にも使われているが、よりブラッシュアップされた診断システム開発・運用のため、現在もデータの収集・更新が引き続き行われている。
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