2003 Fiscal Year Annual Research Report
先端的最適化手法による地盤モデルの同定に関する研究
Project/Area Number |
15510147
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山中 浩明 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (00212291)
|
Keywords | 遺伝的アルゴリズム / 焼きなまし法 / タブー探索 / 位相速度 / 表面波 / 微動アレイ探査 / ニューラルネットワーク / 初動走時 |
Research Abstract |
地盤のS波速度を同定するために行なわれている微動による表面波の位相速度の逆解析問題に,先端的最適化手法である遺伝的アルゴリズム法,焼きなまし法,タブー探索法を適用するプログラムを作成した.大規模平野の深い堆積層地盤を想定した数値実験を行ない,各種アルゴリズムの特色を明らかにした.さらに,解への収束速度と解の安定性を相互比較した.その結果,遺伝的アルゴリズムと焼きなまし法は,ほぼ同じ程度の性能があることがわかった.しかし,焼きなまし法が,より厳密な大局解を得ることに最も適していることが明らかとなった.一方,タブー探索は,局所探索的性質が強く,収束速度は最も遅かった.作成したプログラムを実際の微動アレイ観測で得られた矢や長周期レイリー波の位相速度の逆解析に適用し,数値実験と同様の結果を確認した. また,地震波の初動の到着を自動的に同定するアルゴリズムをニューラルネットワークに基づいて作成し,関東平野で得られている強震記録に適用を行なった.ニューラルネットワークの学習方法に教師データを段解析に増やしていく方法を提案し,ニューラルネットワークの学習を効率的に行なうことができた.さらに,解析から得られたS波とP波初動の到着時間の差を用いて,同平野の堆積層の厚さ分布に関する情報を得ることができた.既存の堆積層モデルから計算される時間差と多くの地点で一致していたが,平野周縁部では,両者が一致しない地点が認められ,モデルの修正の必要性を指摘した.
|
Research Products
(1 results)