2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15510164
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
斉藤 寿仁 熊本大学, 発生医学研究センター, 助教授 (50211925)
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Keywords | SUMO / 翻訳後修飾 / 核輸送 / 核膜孔 / シグナル伝達 / 発生 / 細胞周期 / 核構造 |
Research Abstract |
RanGAP1は、核内低分子量Gタンパク質Ranの加水分解促進因子である。細胞内ではユビキチン様タンパク質SUMOにより翻訳後修飾を受けることで、核膜孔タンパク質RanBP2と相互作用している。昨年度までは、この相互作用の解析に重点を置いてきた。本年度からは、RanGAP1に加え、SUMO化を認識する因子の解析も行っていく予定である。ユビキチン結合性因子群が細胞内に豊富に存在しており、ユビキチンシグナルの下流の制御に重要な役割を果たしていることを考えると、SUMOシステムにおいても同様な因子の存在が予想され、その解析が望まれている。こうした新規の因子の解析を通じてSUMOシステムの普遍的な制御機構に迫ることを本研究の目的とし、以下のような研究成果を得た。 1)昨年度の研究より、RanBP2のIR (internal repeat domain)がUbc9にアロステリック効果を及ぼすことで、SUMO化反応を促進することが明らかとなった。こうした知見をもとに、Ubc9の活性を調節する様々なRanBP2-IR由来のペプチド配列を合成して、in vitroあるいはin vivoでのSUMO化反応に対する効果を解析した。その結果、ポリグルタミン酸の連続配列が効果があることが明らかとなった。 2)siRNA技術により、RanBP2の機能を破綻させた細胞を用いて、RanBP2とRanGTPaseサイクルの調節,あるいはSUMOシステム、そして核輸送に対する効果を検討し、核スペックルやmRNA輸送の制御が破綻していることを見いだした。 3)昨年度の酵母2ハイブリッド法を用いて検索した。得られた因子のうち、STIP2と名付けたタンパク質の解析を進め、ヒトC33細胞において細胞周期に依存した相互作用を観察した。抗体作製、siRNAによるノックダウンによる相互作用解析も順調に進んでいる。
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Research Products
(8 results)