2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15510168
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Research Institution | National Cancer Center (Research Institute and Hospital East) |
Principal Investigator |
大倉 永也 国立がんセンター(研究所及び東病院臨床開発センター), 腫瘍内分泌プロジェクト, 主任研究員 (20300949)
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Keywords | 酵母 / がん遺伝子 / 機能的相補性 |
Research Abstract |
我々は以前、酵母を用いた真核生物遺伝子の機能推定方法を開発した。本方法の有用性および発展性を検討するため、機能未解明のがん抑制遺伝子について本方法の適用を試みた。 遺伝子発現が制御可能なヒト遺伝子発現プラスミドを酵母へ導入し、酵母のゲノム上にDNA変異を誘発させたのち、ヒト遺伝子要求性を示す変異株の同定を行った。さらに四胞子分析を用いて、1遺伝子変異によりヒト遺伝子要求性を示す酵母ミュータントの分離を試みた。結果、ヒト遺伝子を増殖に要求する酵母ミュータントを1株分離した。次にヒトがん遺伝子要求性を示した酵母ミュータント内に生じた遺伝子変異の同定を試みた。酵母ゲノムライブラリーを用いて、ゲノム上の変異部位の同定を試みたところ、本ミュータントは復帰変異株の発現率が高く、変異遺伝子の同定以前に要求性を消失するクローンが多数を占めた。最終的に変異部位をゲノム10Kb以内まで絞り込んだが、変異部位特定以前に表現型が消失し、変異株の安定性に問題があることが判明した。そこで、酵母内において安定にヒト遺伝子を発現させ解析するtwo-hybrid法を利用し、U1snRNPの構成タンパク質であるU1Cに結合する因子の同定を試みた。その結果、転写共役因子CARM1のisoformがU1Cに結合し、pre-mRNA splicingの5'選択性に影響を与えることを見出した。CARM1のisoformは少なくとも4種類が存在したが、うち1種類のみがsplicingへの干渉作用を示した。さらにCARM1 isoformは組織特異性を示し、isoform特異的な機能の存在が示唆された。
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