2004 Fiscal Year Annual Research Report
ニーマン-ピック病C型の胆汁酸抱合体異常代謝産物の構造決定と測定法の開発
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15510182
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
飯田 隆 日本大学, 文理学部, 教授 (60060125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
薮田 理永 日本大学, 文理学部, 副手
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Keywords | 異常胆汁酸 / 3β,7β-ジヒドロキシ-5-コレン酸 / 胆汁酸多重抱合体 / 3-スルフェート抱合体 / 7-N-アセチルグルコサミン抱合体 / 24-グリシン抱合体 / 24-タウリン抱合体 / ニーマンーピック病-C1型 |
Research Abstract |
ニーマン・ピック病C1型(NP-C1)は、リソソームの酵素スフィンゴミエリナーゼの欠損により、脳、膵臓、肝臓、腎臓などにスフィンゴミエリンが異常蓄積する劣性遺伝形式(ヒト18番目のNPC1遺伝子の欠損)をとる先天性代謝異常症である。最近の研究[J.Lipid.Res.,42,1571(2001)]で、肝疾患を併発したNP-C1患者が排泄する尿中には健常人の尿中に全く存在しない新規胆汁酸多重抱合体がきわめて有意な量で存在することが明らかにされた。この多重抱合型異常胆汁酸の最終構造は未だなされていないものの、3β,7β-ジヒドロキシ-5-コレン酸を母核とし、そのC-3位に硫酸、C-7位にN-アセチルグルコサミン(または、オキソ基)、側鎖C-24位カリボキシル基末端にグリシン(あるいはタウリン)を共有結合で抱合する三重抱合体である可能性が最も有力であると構造推測された。 本研究では、これら異常胆汁酸多重抱合体がNP-C1疾患の特異的診断マーカーとなり得るものと期待し、先ずその標品合成を行なった。引き続き、合成標品を用いてのエレクトロスプレーイオン化(ESI)-質量スペクトル(MS)およびESI-MS/MSによるスペクトルパターンを測定し、文献報告による代謝異常産物とされるそれと比較・検討して精査した。その結果、文献記載の新規異常胆汁酸多重抱合体のMSスペクトルパターンは合成標品のそれと極めてよく一致することが判明した。 現在、合成標品とNP-C1疾患者の実尿検体を用い、高感度・高選択的な直接一斉LC/MS測定法を開発中である。本研究成果は、NP-C1型患者の特異的疾患マーカーとして直ちに臨床応用される可能性が高く、本症の早期発見と早期対症療法に大いに役立つものと期待される。
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Research Products
(6 results)