2003 Fiscal Year Annual Research Report
マメ科イソフラボノイド系をモデルとした生合成酵素ネットワークの分子生物学的解析
Project/Area Number |
15510183
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
明石 智義 日本大学, 生物資源科学部, 助手 (80328707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 俊夫 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (80287606)
綾部 真一 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (40050679)
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Keywords | イソフラボノイド生合成 / マメ科植物 / ファイトアレキシン / タンパク質間相互作用 |
Research Abstract |
植物は,遺伝子数から予想される以上の天然物を生産し,自らの生存に役立てている.それらは多段階酵素反応により合成されるので,細胞内での酵素ネットワークなどの効率的な生合成の仕組みが推定される.その機構を,マメ科植物のイソフラボノイド系をモデルとして解析する.本年度は,イソフラボン系酵素のcDNAをすべてクローニングし,in vitroで相互作用を調べるための材料を得た. 1.酵素cDNAクローニングと機能解析:マメ科カンゾウのcDNA機能発現ライブラリーを分画しながら酵素活性を指標にしてスクリーニングし,4'-メトキシ型イソフラボン系の2-ヒドロキシイソフラバノン脱水酵素(HID) cDNAを取得した.さらにカンゾウHID配列情報に基づくPCRと,大腸菌系でのアッセイにより,ダイズの4'-ヒドロキシ型イソフラボン系のHID cDNAを同定した.これによりイソフラボン生合成系の一連の酵素の同定が達成された. 2.既知生合成酵素の未同定機能の解析:カンゾウ2-ヒドロキシイソフラバノン4'-O-メチル基転酵素(HI4'OMT)とエンドウマメの(+)-6a-ヒドロキシマーキアイン3-O-メチル基転移酵素(HM30MT)の活性は,同一タンパク質に起因している可能性があった.両タンパク質の触媒機能を,2-ヒドロキシイソフラバノンとピサチン前駆体を用いてアッセイし,そのことを証明した.エンドウマメでは一連の生合成系の複数段階を同一タンパク質が担っている可能性が示唆された.エンドウマメHM030MTのパラログについても,アッセイを行う予定である. 3.イソフラボン系酵素タンパク質の発現:カルコン合成酵素,ポリケチド還元酵素,HI4'OMTとHIDを大腸菌で発現させる系を確立した.今後リコンビナントタンパク質を大腸菌より精製し,共クロマト,共電気泳動による相互作用の直接検出を試みる.
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