2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15510185
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
鈴木 信太郎 関西学院大学, 理工学部, 教授 (20128432)
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Keywords | 心筋 / 細胞接着 / 介在板 / アドヒレンスジャンクション / デスモゾーム / カドヘリン / インテグリン / アクチン |
Research Abstract |
心筋細胞間に存在する介在板と呼ばれる接着構造複合体は心筋組織の形成に重要な役割を担っているものと考えられているが、その構築機構に関しては多くの未解決の問題が残されている.そこで、本年度は心筋細胞の分化および形態形成と介在板形成との関連を検討した. 細胞間接着タンパク質は培養した心筋細胞においても他の細胞と同様、細胞-細胞間の接触部位に一様に局在した.しかし、長時間培養すると、接着タンパク質は一部の細胞において心筋組織と同様細胞長軸の末端部位に強く局在するようになった.この接着部位にはカドヘリンのみならず、デスモゾームタンパク質等も局在しており、介在板様の構造体を形成しているものと考えられる.次に、培地に各種の成長因子を添加してこの局在への影響を検討したところ、b-FGFを添加すると心筋細胞は一定方向に良く並び、接着タンパク質の局在も増強されることが分かった.また、培地にAraCを添加して細胞の増殖を阻害すると局在は増強された.この局在化は心筋細胞自体の形態と直接関連はなく、細胞をtaxol等の微小管の安定化剤や阻害剤を添加して細胞の形態を大きく変化させても接着タンパク質の局在に大きな変化は起こらなかった.さらに、培養心筋細胞の拍動能とこの局在との間に強い相関は認められなかった.したがって、結合装置の構築及び局在化には心筋細胞の形態の維持は直接関連のないことが示唆される.ただし、心筋細胞の分化自体はこの条件下でも阻害されていないので、接着構造体の局在には心筋細胞の分化が必要であることが考えられる.
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Research Products
(1 results)