2005 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカ合衆国の異人種間混淆と混血に関するラテンアメリカとの比較史的研究
Project/Area Number |
15510205
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
山田 史郎 同志社大学, 文学部, 教授 (30174717)
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Keywords | アメリカ合衆国 / 人種 / 異人種間結婚 / 混血 / 比較史 |
Research Abstract |
1.昨年度までの研究で蓄積したデータ(19世紀・20世紀前半の異人種間結婚禁止州法および訴訟関係資料)を、さらに継続して蓄積した。とくに、アメリカ合衆国南部について、異人種婚禁止法違反関係の裁判における判決文を集中的に収集し、その整理作業を遂行することができた。具体的には、南北戦争後の主要な裁判-アラバマ州のバーンズ、グリーン、フーバー、ペース各事件判決と、ヴァージニア州のキニー、フー、グリーナム各事件判決-及び異人種婚禁止体制を終焉へといたらせた主要な裁判-第二次世界大戦後のカリフォルニア州ペレス事件判決と連邦最高裁によるラヴィング事件判決-について、原告・被告の主張と最終判決文を詳細に分析することができた。 2.上記のデータを解析し、アメリカ合衆国の異人種間結婚をめぐる法的・社会的な制度・規範について総括することを行った。特に、平成17年11月に、米国マサチューセッツ州ボストンの公立図書館ならびに歴史協会における所蔵資料調査によって、植民地時代後期〜建国初期における同州の異人種婚禁止規定に関する包括的な把握が可能となった。これによって、アメリカ合衆国のほぼすべての地域における、植民地時代から現代までの異人種婚禁止体制の成立・発展・修正・終結に関する総合的な把握を得ることができた。 以上の成果の一部を、次項に記した研究発表で公刊したが、さらに平成18年5月には、山川出版社より『アメリカ史の中の人種』と題する図書(単著)を刊行し、研究成果の全体像を世に問うことになる。
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