2004 Fiscal Year Annual Research Report
近現代日本における男性性(マスキュリニティーズ)の構築過程についての学際的研究
Project/Area Number |
15510222
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
細谷 実 関東学院大学, 経済学部, 教授 (10209249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 千香子 横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (40202014)
小玉 亮子 横浜市立大学, 商学部, 助教授 (50221958)
熊田 一雄 愛知学院大学, 文学部, 助教授 (60301628)
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Keywords | 近代史 / 心性 / 教育 / ジェンダー / 日本 / 男らしさ / アメリカ / トランスジェンダー |
Research Abstract |
平成16年度はまず昨年度に引き続いて、近代日本においてどのような男性性がどのような布置の中で競合・協働してきたのか、という全体像の概念を明らかにする「複数の男性性の全体像」マッピングを行なう作業を継続した。具体的には、昨年度購入した『近代日本青年期教育叢書 第III期』他の資料をもとにしての、男性性関連言説に関する研究分担者・協力者による文献解題作業を引き続き行った。 また今後のマッピング作業における課題の明確化のために、(1)兼子歩(日本学術振興会特別研究員・研究協力者)によるアメリカ黒人男性史研究の動向報告、(2)ジェイソン・カーリン(東京大学助教授・研究協力者)による、アメリカ男性史研究の知見を踏まえた視座からの、明治期日本の男性性分析の報告、などを受け、研究方法論についての専門的知識の深化に努めた。 さらに、「<男性身体を持つ者の歴史>としてカテゴリー化されてしまう男性史」の限界を脱し、様々な当事者性に立脚した男性史の可能性を検討すべく、近代の欧米における「女性の男性性」の歴史的推移をクィア理論に立脚しつつ展開しているジュディス・ハルバーシュタム(南カリフォリニア大学教授・研究協力者)を招聘し、専門的知識の相互交流に努めた。
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