2003 Fiscal Year Annual Research Report
近代日本におけるスポーツにみる性差の創造と変革に関する基礎的研究
Project/Area Number |
15510230
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Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
名久井 孝義 仙台電波工業高等専門学校, 教授 (40100755)
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Keywords | スポーツ史 / 女性 / ローカル誌 / 雑誌「体育」「国民体育」 / 明治神宮体育大会 |
Research Abstract |
平成15年度の資料収集と資料整理(年表作成、データーベース化)及び資料分析は、主に以下の3点にまとめられる。 (1)近代女性スポーツに関するローカルメディア資料として、明治中期以降大正期までの『河北新報』の関連記事索引の作成を継続中である。記事索引作成に並行して記事を分析した結果、中央紙に先行するかたちで同紙では「運動欄」を設け、男性スポーツに比べ掲載回数や紙幅は少ないが女性の身体運動も掲載していた事実を確認できた。とりわけ、大正後期で注目できるのは、女学生の野球が行われていたことが判明した。 (2)体育・スポーツ関係の全国的資料である雑誌『体育』(日本体育会機関誌:資料収集済み)及び同誌の継続後誌『国民体育』(今回、資料収集調査)の目次索引の作成がほぼ完了する。16年度は資料の分析にはいるが、これまで資料的に欠落していたために女性スポーツ史年表においても不明確だった日露戦後から第一次世界大戦頃までの女性スポーツのアウトラインがみえてくるであろう。 (3)上記と同様に地域的にも制度的にも全国的規模で展開した明治神宮体育大会関連の資料収集が完了した。記事資料の整理分析を進めているが、明治神宮体育大会では男性の青年団組織の取り込みに対して女性の青年団組織の取り込みがみられなっかたようだ。だとすれば、地域と女性とスポーツ(明治神宮体育大会)との関連性のなかで大正末期から第二次世界大戦期の女性スポーツの国家的位置づけがみえてくるようである。
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