2003 Fiscal Year Annual Research Report
倫理学と想像界-〈制度化された母性〉から〈母の領域〉へ
Project/Area Number |
15520011
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
金井 淑子 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (50152773)
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Keywords | 親密圏 / イマジナリーな領域 / 母 / 家族 / ジェンダー / 公領域 / セクシュアリティ / 差異 |
Research Abstract |
平成15年度の課題は、関係学会、研究会、シンポジュウムなどに可能なかぎり参加し、テーマに関するこれまでの研究を踏まえて発言・発表の機会を追求し批評をあおぐこと、さらに研究テーマに関する最新の文献資料の収集を図ることなどを掲げて、以下の場面への参加発言の機会をえた。日本哲学会、日本倫理学会、日本法哲学会、現代倫理学研究会、さらに昨秋新たに立ち上がったジェンダー法学会などへの参加、またお茶の水女子大学21世紀COEプログラム「ジェンダー研究のフロンティア」COE企画のいくつかの研究会からはテーマへの多大な知的刺激を受けている。今年度の在外研究先であったフランス母性研究グループとの知的交流については、まず国内での7月日仏会館で開催されたイレーヌ・テリー(フランス国立社会科学高等研究院教授)を招いての研究会・シンポジュームに参加しそこでの「ジェンダーが開く<私>空間と<公>空間フランスそして日本」の主題からフランス社会のパルティ法とパックス法制定以降の家族をめぐる状況の最新の情報を手にしえたことが有益であった。その予備知識をもってフランス・トゥールーズで開催された「家族の秘密」と題する会議(3月22日-24日)に参加し、フランス国内の家族論関係の研究者がほぼ一同に解した議論の場を通して研究テーマへの日仏比較の観点からの課題の一定の整理はなしえた。 研究成果発表は、平成16年度末の課題であるが、それに先立ち、平成15年度においても、共編者として企画を進めてきた岩波書店刊『応用倫理学』シリーズ全7巻のうち責任編集巻第5巻『性/愛』の「講義の七日間の執筆担当部分に、さらに東信堂刊『社会学のアクチュアリティ:批評と想像シリーズ』全12巻の第12巻『社会構想の可能性 差異の承認をもとめて』(市野川容孝・武川正吾編)の分担執筆「フェミニズムの目指す社会」の原稿執筆に本科研費補助の成果は一部反映されている。(刊行は2004年5月以降」
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