2004 Fiscal Year Annual Research Report
日中近代哲学における仏教受容--京都学派と新儒家を中心として
Project/Area Number |
15520045
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
末木 文美士 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (90114511)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 隆博 東京大学, 大学院・総合文化系研究科, 助教授 (20237267)
|
Keywords | 京都学派 / 新儒家 / 近代仏教 / 本覚思想 / 批判仏教 / 海潮音 |
Research Abstract |
(1)東京大学において、海外研究者を迎えて2回の研究会(シンポジウム)を行なった。1回は2004年6月にブライアン・ヴィクトリア博士(オーストラリア、アデレード大学)を迎えて、鈴木大拙と戦争責任の問題に関するシンポジウムを行い、内外の研究者多数の参加を得て、日本の近代仏教思想と社会倫理の問題に関して討論が交わされた。2回目は、2005年1月に葛兆光教授(中国、清華大学)を迎えて、東アジアの思想史の方法論をめぐる討論会を行ない、関連する日本の研究者を交えて、議論がなされた。 (2)研究代表者の末木は、海外で関連する発表を数回行なった。特に、2004年11月に北京の中国人民大学で行われた第1回中日仏学会議では、近年大きな問題となっている本覚思想や批判仏教を中心に、それが近代の中国・日本思想とどのように関係するかという点をめぐって、議論がなされた。 (3)近代中国を代表する仏教雑誌『海潮音』は、2003年に復刻が出されて研究が可能となった。2004年度に本科学研究費によってその復刻版を購入したので、本年はその目次データベースを学生の協力を得て作成した。これは今後の研究の基礎となるものである。 (4)研究分担者の中島は、中国の新儒家の主要な思想家と仏教の関係についての研究を進めた。 (5)以上の成果をまとめて、研究成果報告書を編集した。これには、上記のシンポジウムや海外研究の成果を可能な限り盛り込んだ。即ち、研究代表者と分担者の論文だけでなく、上記の葛兆光氏の論文(和訳)やヴィクトリア博士の論文(英文)を収め、また、2003年度に行われた研究会の成果も盛り込んだ。『海潮音』の目次データベースは、電子データの形で希望者に配布することとした。
|
Research Products
(6 results)
-
-
-
-
-
-
[Book] 明治思想家論2004
Author(s)
末木文美士
Total Pages
330
Publisher
トランスビュー
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より