2003 Fiscal Year Annual Research Report
マハーラーシュトラ州におけるヒンドゥー教の儀礼研究
Project/Area Number |
15520053
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Research Institution | Chukyo Women's University |
Principal Investigator |
山口 しのぶ 中京女子大学, 人文学部, 助教授 (70319226)
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Keywords | ヒンドゥー教 / マハーラーシュトラ / 供養 / プージャー / マンガラガウリー / シヴァ / ストートラ / シュラーヴァナ月 |
Research Abstract |
平成15年度は、(1)現地での資料収集、(2)現地での聞き取り調査、(3)ヴラタに関する文献研究の3点を中心に研究を行なった。その一環として2回のインド出張を行なった。第1回出張(平成15年7月28日〜8月22日)においては、インド、マハーラーシュトラ州プネー市にて、主に(1)映像資料収集、(2)文献資料収集を行なった。(1)においてはバラモンの家庭で、結婚した女性が結婚後最初の5年間、シュラーヴァナ月(7-8月)の火曜日に行なうマンガラガウリー・プージャー(マンガラガウリー・ヴラタ)の儀礼を2例ビデオおよび写真で記録した。また任意で行なわれるサティヤナーラーヤナ・ヴラタについても1例記録した。さらに市内のシヴァ寺院において毎月月曜日に行なわれるプージャーも記録した。(2)についてはマンガラガウリー・プージャーで使用されるサンスクリット・テキストおよびヴラタ関連のサンスクリット文献を入手した。 第2回の出張(平成15年12月21日〜平成16年1月7日)においては、ヴラタが多く行われる時期ではないため、主に古典文献におけるヴラタ儀礼についてインド人研究者に聞き取りを行なった。特に『マツヤ・プラーナ』に記述されたヴラタ儀礼の構造について聞き取りを行ない、現代行なわれているヴラタとの構造比較をした。また第1回出張で入手したマンガラガウリー・ブージャーの記録をもとに、この儀礼で使用される植物、供物、器具二関する聞き取りを行なった。さらにこの儀礼の際使用されたサンスクリット・テキストの内容についてインド人研究者に質問し、テキスト面からの構造分析を行なった。この研究の成果は平成16年7月に開催される日本印度学仏教学会学術大会にて口頭発表を行なう予定である。
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