2003 Fiscal Year Annual Research Report
中世法会をめぐる学問とそれを表白する言説に関する基礎的研究
Project/Area Number |
15520127
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
大島 薫 関西大学, 文学部, 助教授 (50319604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落合 博志 国文学研究資料館, 文献資料部, 助教授 (50224259)
蓑輪 顕量 愛知学院大学, 文学部, 助教授 (30261134)
遠藤 邦基 関西大学, 文学部, 教授 (40021315)
曽根原 理 東北大学, 情報シナジーセンター, 助手 (30222079)
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Keywords | 説法 / 論義 / 法会 / 『東大寺円照上人行状』 / 『釈門秘鑰』 / 経釈 / 学問 / 施主段 |
Research Abstract |
本年度は、中世法会をめぐる学問を明らかにするために、東大寺図書館に蔵される『東大寺円照上人行状』の輪読を開始した。本研究では、現存する説法資料のなかでも、中世の<説法>と<論義>の実態をよく伝えていると考えられる『草案集』を解読することを予定していたが、平成15年6月12日に準備会として蓑輪・曽根原・大島が集まり、法会をめぐる学問を考えるには、中世の僧坊、さらには学侶の学問と活動の実態を明らかにすることこそ急務であるという結論に至った。鎌倉時代の学侶の生涯が語られる『東大寺円照上人行状』の輪読を行うこととした所以である。なお、輪読にあたっては、日本女子大学文学部教授・永村眞氏と愛知学院大学文学部教授・福島金治氏に加わっていただき、専門的知識の提供を願うこととした。本年度輪読は、平成15年9月7日・11月8日・平成16年1月10日・3月13日に日本女子大学において行い、上巻の翻刻作業とともに、注釈の方法など決定した。また大島は、研究代表者として、東大寺図書館における原本調査、ならびに、原本のカラー写真を入手するための撮影(光楽堂に依頼)をすませるとともに、本文の電子化を行った。 加えて、<説法>の研究をすすめるために、神奈川県立金沢文庫の保管される『釈門秘鑰』の原本調査を行うとともに、写真撮影をすませた。次年度は、写真を用いて翻刻作業をすすめることとする。
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