2005 Fiscal Year Annual Research Report
| Project/Area Number |
15520129
|
|---|
| Research Institution | Tenri University |
|---|
Principal Investigator |
近本 謙介 天理大学, 文学部, 助教授 (90278870)
|
|---|
| Keywords | 南都 / 南都復興 / 唱導 / 東大寺 / 興福寺 / 建久 / 貞慶 / 勧進 |
|---|
| Research Abstract |
本年度は、研究期間の最終年度にあたるため、平成15年度・平成16年度に収集した資料のデータ化と分析を主たる作業とし、データ化については、謝金を利用して整理・入力作業を行った。一方で、研究を纏めるために必要な資料の採集にも努め、主に東大寺図書館・神奈川県立金沢文庫における継続調査および笠置寺における新規調査を実施した。
これらの調査を通じて、治承の南都回禄後の再建における重源の働きを窺わせる資料や、中世における法会の場を介した唱導の在り方に示唆を与える文献を確認して分析の対象に加え、研究協力者(昨年度までは研究分担者)である文化庁文化財部横内裕人氏との意見交換を綿密に行った。
この間、研究代表者は、中世文学会平成17年度春季大会シンポジウム「中世文学研究の過去・現在・未来」(平成17年5月28日於青山学院大学)中の第4分科会「中世文学の人と現場-慈円とその周辺-」のパネラーとして、「慈円から慶政へ-九条家の信仰と文学における継承と展開-」と題する報告を行い、本研究の成果の一端を発表した。また、中世初頭の南都をめぐる勧進・修造活動と唱導との関わりのなかに成立した『建久御巡礼記』に関する考察「『建久御巡礼記』をめぐる問題について-報告と小考-」を、『説話文学研究』第40号(説話文学会平成17年7月)に発表した。
また、本研究と密接に関わる資料の分析を行う上で、研究協力者として飯田彩氏の参加を得、横内氏を含めた3人による議論・検討を経て、資料の紹介および解題を、研究成果報告書に掲載することとした。
|
