2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15520132
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Research Institution | Gunma National College of Technology |
Principal Investigator |
大島 由紀夫 群馬工業高等専門学校, 一般科目人文科学系, 教授 (80233104)
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Keywords | 神道集 / 在地縁起 / 社寺縁起 / 語り物 |
Research Abstract |
『神道集』所収上州関係話と内容が密接に関連する在地縁起諸本は、社寺縁起の体裁をとる<縁起系>と、六段(十二段のものもある)より成る語り物の体裁をとる<語り物系>とに大別できる。『神道集』所収話との関わりから見ると、前者は本文比較が可能なものが多く、後者は内容的に関連しつつも大きく変貌していると言える。 本研究は、(1)前者につき、『神道集』古本系・流布本系と詳細に本文を比較して、『神道集』所収話との距離の在り方を把握し、在地縁起の諸本それぞれの個別的特徴と共通性を明らかにする。 (2)後者につき、同様に在地信仰を背景に担う奥浄瑠璃諸作品と比較しつつ、その特質を明らかにする。 ことによって、これまですすめてきた在地縁起の神話的機能に関する研究の成果と統合し、『神道集』所収上州関係話の在地的展開の諸相を、詳細かつ具体的に解明することを目指すものである。 平成15年度は、主として前記(1)・(2)の検討作業に入るために必要な次の基盤整備行った。 (1)『神道集』諸本のうち、真福寺蔵本について閲覧調査し、本文比較の基礎資料を作成した。 (2)『神道集』赤木文庫旧蔵本の上州関係話を電子資料化し、本文比較の基礎資料を作成した。 (3)これまでに収集した在地縁起資料類を電子資料化し、また、未調査であった在地縁起類に関して本文資料等を収集した。 (4)縁起伝承の歴史的・社会的背景を考察する上で有効な関連資料を収集した。 (5)東北地方に伝来する在地縁起類(特に語り物系)に関連する資料を収集した。 平成16年度は、(1)〜(5)の成果に基づき、具体的な本文比較を通して前記(1)・(2)の検討作業を実施して、『神道集』所収上州関係話の在地的展開の特質について考察し、本研究の目的を達成する予定である。
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Research Products
(2 results)