2003 Fiscal Year Annual Research Report
浮世絵の画像データベースによる文学的・演劇学的解釈の研究
Project/Area Number |
15520134
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
山下 則子 国文学研究資料館, 文献資料部, 助教授 (40311162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武井 協三 国文学研究資料館, 研究情報部, 教授 (60105567)
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Keywords | 見立 / 役者絵 / 浮世絵 / 演劇学 / 文学的解釈 |
Research Abstract |
科学研究費補助金による補助事業の初年度である本年度は、研究環境を整えることに意を用いた。即ち高速CPU・高速メモリ搭載コンピュータ、高精度一眼レフデジタルカメラ、画像閲覧ソフトを備え、浮世絵(役者見立絵)70枚の収集を行った。 国内外の美術館や図書館等において、見立絵のデジタル撮影による収集を行った。即ち都立中央図書館東京誌料室から『見立三幅対』、『擬五行尽之内』他12点、ヴェネチア東洋美術館から『見立月雪花』、『絵兄弟見立七福』他9点、サレジオ大学マリオ・マレガ文庫から『役者見立東海道五十三次』、『見立志度寺瀧』他20点、架蔵浮世絵から『見立三十六歌撰』、『御銚五色染』、『見立三十六句』他13点等合計54点。 原本購入による見立絵の収集を行った。即ち『役者見立東海道五十三次』34点、『東都高名会席尽』15点、『東都三十六景之内』5点、『近江八勇之内』5点、『見立八景』1点、『見立やみ尽』2点、『当世見立三十六歌撰』1点『見立三十六歌撰之内』1点等合計70点。 既に収集してある見立絵及び今年度収集した見立絵の画像データベースの作成を行った。即ち『役者見立東海道五十三次』101点、『東都高名会席尽』23点、『擬五行尽之内』4点、『見立三十六歌撰』6点、『見立七小町』7点、『見立月雪花』3点、『絵兄弟見立七福』5点、『見立三十六句』2点他合計221点。 収録した画像データベースに、書誌及び「見立」の文学的演劇学的解釈に関する情報を付した。即ち『当世好男子伝』9点、『見立七小町』7点、『見立三十六歌撰』3点である。また、「見立」の文学的・演劇学的解釈と大きな影響関係を有する、草双紙の演劇学的研究に関して、文学と演劇学との影響関係に関する集大成的著書を刊行した。 なお、来年度より、俳諧や芝居関係資料における「見立上を研究する研究者との共同研究会を開催し、順次浮世絵における役者見立絵の「見立」の文学的・演劇学的解釈に関する研究を発表する予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 高橋則子: "マリオ・マレガ文庫蔵黒本・青本『〔さよの中山〕』について"調査研究報告. 第24号. 107-122 (2003)
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[Publications] 高橋則子: "赤本・黒本・青本解題集稿(五)"叢草双紙の翻刻と研究. 第25号. 307-347 (2004)
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[Publications] 高橋則子: "草双紙と演劇-役者似顔絵創始期を中心に-"株式会社 汲古書院. 526 (2004)