2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15520143
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
今井 勉 東北大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (40292180)
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Keywords | ヴァレリー / 草稿研究 / ダ・ヴィンチ論 / フランス国立図書館所蔵 / 生成研究 / マニュスクリ |
Research Abstract |
本研究は、ポール・ヴァレリーの代表的散文『註と余談』(1919年発表)について、フランス国立図書館所蔵の草稿「レオナルド関連草稿LEONARD DE VINCII,224 ff.(Introduction a la methode de Leonard de Vinci, ff.1-105,Note et Digression, ff.106-224.),NAF 19054,Microfilm 4234.」の精密な解読と手書き原稿の完全活字転写作業を実行したうえで、テクスト全体の詳細な分析を行うことによって、傑作の生成の舞台裏を明らかにすることを目的とする。昨年度は、2004年3月に集中的な出張を組むことによって、フランス国立図書館草稿部での実地筆写を敢行した。また、それに先立ち、日本ヴァレリー研究センター(一橋大学大学院言語社会研究科恒川邦夫教授研究室)設置の他の草稿資料との比較検討や手稿をめぐる諸問題に関する在京ヴァレリー研究者との討議のため、二度にわたってセンターへの出張を行い、予備的な資料収集にあたることができた。以上の作業に基づいて、本年度は、さらにセンターへの出張を重ねて、研究の推進に必要な資料の補強をはかると共に、ほぼ網羅的に筆写を終えた研究対象手稿資料(筆写ノート二冊分に相当)に内在する問題点の明確化、刊行テクストとの照合による執筆経過の推定といった実質的な第二次作業を行い、その作業をほぼ完了することができた。とりわけ、冒頭部分の数度にわたる改稿の痕跡は、初期の『序説』における冒頭の書き直しと合わせて、生成論的に興味深いものがある。こうした成果を顧みて、本年度の研究実施計画は十分に果たされたと言える。
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