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2004 Fiscal Year Annual Research Report

「幽霊小説」と「探偵小説」を中心とするヴィクトリア朝大衆文学の系譜学的研究

Research Project

Project/Area Number 15520146
Research InstitutionYamagata University

Principal Investigator

中村 隆  山形大学, 人文学部, 助教授 (00207888)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 原 英一  東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40106745)
Keywordsディケンズ / ウッド夫人 / メアリー・ブラッドン / 幽霊 / 探偵 / 夫殺し / 狂気 / センセーション・ノヴェル
Research Abstract

ディケンズの後期の小説と1860年代のセンセーション・ノヴェルの相互の影響関係は、従来考えられていたよりもはるかに密接である。主題に関する幾つかの局面を検証することにより、これら相互の影響関係は明白となる。それは以下のように記述できる。
1.物語のヒーローよりもむしろヒロインが中心的な位置を占める。
2.ヒロインは重婚、不倫などの性的な逸脱を犯す。
3.ヒロインは、夫殺し、放火、毒殺などの犯罪を犯す。
4.ヒロインに酷似したもう一人の女性が登場し、二重人格の主題が形成される。
5.二人の女性のアイデンティティが混同され、「幽霊」の主題が形成される。
6.ヒロインの犯罪・秘密を暴くものとして男性の「探偵」が登場する。
7.男性の探偵は、ヒロインの秘密を暴き、ヒロインの破滅を目論む。
このような一般的法則に近接するディケンズのセンセーション・ノヴェル的作品として、『ドンビー父子』、『ディヴィッド・コパフィールド』、『荒涼館』、『辛い時代』があり、同様にまたウッド夫人とメアリー・ブラッドンの幾つかの作品(『イースト・リン』、『ハリバートン夫人のの難題』、『アシュリダットの影』、『オードリー夫人の秘密』、『医師の妻』、『ジョン・マーチモンの遺産』など)も上記の条件を満たすことが明らかにされた。
ディケンズの作品とセンセーション・ノヴェルの密接な関係を示すさらなる証拠として1869年から70年にかけて、ディケンズによってなされた「サイクスとナンシー」の公開朗読がある。そこでは、センセーション・ノヴェルに通底する「夫殺し」と「幽霊」の主題が、娼婦ナンシーを通して前景化する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2005 2004

All Journal Article (3 results)

  • [Journal Article] 18世紀小説の「演劇的語り」と「ポストモダン的語り」2005

    • Author(s)
      原 英一
    • Journal Title

      英語青年 150巻

      Pages: 658-659

    • Description
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [Journal Article] メデゥーサの肖像-公開朗読とセンセーション・ノヴェルのヒロインたち-2005

    • Author(s)
      中村 隆
    • Journal Title

      英文学研究 81巻

      Pages: 79-95

  • [Journal Article] 『バーナビー・ラッジ』と従弟のロマンス2004

    • Author(s)
      原 英一
    • Journal Title

      ディケンズ・フェロウシップ日本支部年報 27号

      Pages: 130-150

URL: 

Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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